※向かって左からアーロン・ジャクソン、ジョシュ・シャープ ©2023 SEWER BOYS RIGHTS LLC. All Rights Reserved.
『ディックス!! ザ・ミュージカル』アーロン・ジャクソン& ジョシュ・シャープ 笑ってもらえるのが一番嬉しい【Actor’s Interview Vol.48】
A24初のミュージカル『ディックス!! ザ・ミュージカル』は、タイトルのぶっちゃけ具合からもわかるようにバッチリ【R15+】区分。家族ドラマ、ラブストーリー、SF、スリラー、コメディが混然一体となった原案は、主演のマッチョな双子を演じたゲイのふたり、ジョシュ・シャープとアーロン・ジャクソンによってオフ・ブロードウェイで上演されていた30分のコメディミュージカル。ニューヨークの大人気コメディ劇場「アップライト・シチズンズ・ブリゲード」で演者として活躍していた彼らは、今回共同脚本から製作、楽曲までも手掛けており、当時はすべてのキャラクターを自身で演じていた。そんなアーロン・ジャクソン& ジョシュ・シャープの2人にオンラインインタビューを実施。陽気な2人は映画のキャラクターさながらノリノリで答えてくれた。
『ディックス!! ザ・ミュージカル』あらすじ
ニューヨークのトップ・セールスマンとして働く我儘なモテ男であるクレイグ(ジョシュ・シャープ)とトレヴァー(アーロン・ジャクソン)は、ある日、運命的に出会い、互いに生き別れの双子だと認識する。ばらばらになった家族を再び一つにするために奔走する彼らだったが、父親(ネイサン・レーン)が世間に隠していた異形の家族の存在により計画は狂いだし、やがてそれは地下世界に隠された大いなる秘密に繋がっていくのだった……。
Index
自己検閲は一つもない
Q:舞台で上演していた時に映画になる予感はありましたか。
ジャクソン・シャープ共に:ノー(笑)!
ジャクソン:これは数多くやっていた舞台の中でも人気の作品だった。だから何かになりそうな予感はあったけれど、映画になるなんて夢にも思わなかったよ。何かの仕事に繋がるかも?くらいだったね。
Q:舞台版をどのように映画にしていったのでしょうか。
シャープ:映画を作るにあたってはあまり時代を感じさせないようにしたんだ。オフィスではスマートフォンみたいなものも使っているし、70年代にあったようなダイヤル式の電話もある。タクシーも50年代や70年代の車が出てくるし、あえて色んな年代の物を使ったよ。
ジャクソン:舞台版をやっていた場所はスーパーの地下にある小さなコメディーシアターだった。そこに来るようなお客さんは、そもそも不条理コメディやオルタナティブのコメディが好きな人ばかりだから内容への抵抗はなかったと思う。でも映画は一般の人も観にくるから、そういう人たちが観るとショックを受けるんじゃないかと心配だったね(笑)。
『ディックス!! ザ・ミュージカル』©2023 SEWER BOYS RIGHTS LLC. All Rights Reserved.
Q:映画化にあたり、内容的なものでストップがかかったり、検討が必要だったりしたものはありましたか。
シャープ:一切なかったね。そこはA24と一緒にやれたおかげだよ。彼らはもともとクレイジーな映画が大好きでしょ(笑)。監督もプロデューサーも、舞台版のビデオを観た上で関わってくれたから、内容については理解してくれている。もちろん映画化にあたり変えたところはあったけれど、自己検閲したところは一つもない。舞台の観客と映画の観客は違うから多少ジョークを調整したけれど、映画だから抑制するなんてことはなかったよ。
ジャクソン:A24も監督もプロデューサーも自粛するようなことは全くなくて、今回は全員が限界突破を目指していたね(笑)。