1. CINEMORE(シネモア)
  2. CINEMORE ACADEMY
  3. 「dwarf × Stranger コマ撮り座談会」Strangerに行けばコマ撮りの人がいる!【CINEMORE ACADEMY Vol.45】
「dwarf × Stranger コマ撮り座談会」Strangerに行けばコマ撮りの人がいる!【CINEMORE ACADEMY Vol.45】

向かって左から、ドワーフ:松本紀子氏、コマ撮りアニメーター:阿部靖子氏、Stranger:更谷伽奈子氏、ドワーフ:西山佳菜子氏

「dwarf × Stranger コマ撮り座談会」Strangerに行けばコマ撮りの人がいる!【CINEMORE ACADEMY Vol.45】

PAGES


作る楽しさ~究極の人形遊び



Q:改めて一般の方の反応なども見た上で、コマ撮りが持つポテンシャルは感じますか。


松本:とても感じます。今はコマ撮りの作品が映画祭でも増えているんです。これは多分、AIが台頭している揺り戻しなのではないかと。ドワーフは23年前に誕生したのですが、当時はCGの勢いがすごかった時期。「なぜ今コマ撮りのスタジオを始めるの?」とよく言われていました。2023年の20周年の際には、「コマ撮りはCGの波にもまれても生き残りました。だからきっと、私たちはAIの波も生き残れる」と言えました。CGの会社はAIがやって来たことで戦々恐々としていますが、私たちはたぶん今まで通りやれば大丈夫。それを本能的に感じています。


ただ、「コマ撮りって作るのは楽しいけど、作った後はどうなんだ」というところが大きな課題ですね。そもそも「コマ撮りの一番楽しいのは作るところだった」というのは良くない。作る楽しさが圧倒的にあるのはコマ撮りの魅力の一つですが、弱点にもなりうる。本当に大事なのは、きちんと面白いものを作り続けることだと思うんです。



※座談会の様子


Q:確かに作るのは楽しそうだなと思いつつも、実際はかなり大変な作業ですよね。


松本:プロデューサーの私が「楽しい」と言うと、アニメーターから「お前が言うな」と言われそうですが(笑)。でも本当に「こんなに面白いのに、何故みんなやらないんだろう」と思うくらいです。子供が粘土遊びに夢中になるような、そういうものの延長線なんだと思います。究極の人形遊びだなと。


阿部:小さい頃、人形遊びをやっていたときに、「もっとこうしたい」と思ったことがあると思いますが、それを今やらせてもらっている感覚があります。ストーリーを作ってずっと人形遊びをやっているような感じ。同じようにそれを感じていた仲間と、一緒に作り上げる喜びもあります。この楽しさをもっと共有したいですね。


松本:『ボトルジョージ』(24)という作品を作ったときに元PIXARで現在はトンコハウスの代表でもある堤大介さんとご一緒したのですが、撮影初日に「堤さん、ここから起きることは絶対楽しいから溺れないでくださいね」と忠告したんです。それまでCGを作って来た堤さんからすると、実際のモノが目の前にあるわけですから。かわいいセットがあって、丁寧に作られた人形があって、それを一流のアニメーターが動かしている。光もパソコン上で作るのではなく、ちゃんとライトを当てて光と影を作っていく。そうやって作ることはもはや神様みたいなものですから。だからどうしても「楽しい!」となっちゃうんです。


Q:実際に自分の手で触って動かすという作業が、より“ものづくり”をやっている感覚になるのでしょうか。


阿部:それはすごくありますね。物理的な制約があることで出来ないこともあるのですが、それを一つ一つ乗り越えていく感覚が良い。私は一人よりもチームでやる方が好きで、誰かが思いを込めて作ってくれた人形や関節、美術セットなど、その人たちのこだわりを発見する楽しさがあります。そうやってギュッと詰まった色んな人の思いは、手で作っているからこそ見えやすいのかなと。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. CINEMORE ACADEMY
  3. 「dwarf × Stranger コマ撮り座談会」Strangerに行けばコマ撮りの人がいる!【CINEMORE ACADEMY Vol.45】