NO VIP ― 誰もが平等になれる場所
Q:「ストーリーテリング」をテーマに掲げた理由、その思いについて教えてください。
ルイス:日本での開催を決めた時、ポルトガルでのイベントと同じようなものにはしたくありませんでした。何か新しいことを模索しようと考えたのです。日本は他のストーリーに影響を与える「物語の始まり」の場所です。だからこそ、ストーリーテリングの始まりは日本であるべきだと。世界的に見てもストーリーテリングに焦点を当てたプロジェクトは十分ではありません。我々は日本と共に世界のクリエイティビティを育ていきたいのです。
Q:参加者や先生との関係がとてもフラットで壁がないことに驚きます。「NO VIP」などのルールが浸透していますが、このルールへの思いについて教えてください。
ルイス:まさにそれがTHUの始まりでした。誰もが平等になれる場所を見つけたかった。私は内向的な性格で、自分は「何者でもない」存在でしたが、イベントというのは得てして「スーパーVIP」やエリートのためのものです 。だから、自分で探しても見つからなかった場所、つまり私のような「どこにでもいる普通の人間」が、皆と平等に接することができるイベントを自ら作ったのです。イベントにはスピーカーに限らずエリートも参加していますが、このイベントの中では「VIPを作らない」つまり、肩書に左右されず一人のクリエイターとして誰もがフラットに交流でき、お互いが気づきを共有できる空気づくりを大切にしています。

Q:シャイな日本人にとっても、すごくいい環境だと思いました。
塩田:僕が最初に参加したのは2016年でしたが、その時すでにそういう雰囲気ができていました。THUはポルトガルが発祥で、自国のクリエイターたちは立ち位置をなかなか見つけられない苦悩がありました。それで「じゃあ世界をポルトガルに連れて来よう」という発想から始まったものです。集ってきた人たちにも「自分たちの立ち位置を確認したい」「日々の悩みを吐露する空間が欲しい」という悩みがあり、そこに共鳴するスピーカーを最初から選んでいた。これはすごいなと思いました。
だから「NO VIP」は自然発生的に「THUマジック」として起きていたことなんです 。それを一度言語化しようと数年前に書き出したのが「THU WAY(THUのフィロソフィー)」となりました。

THU WAY(THUのフィロソフィー)