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『人はなぜラブレターを書くのか』石井裕也監督 言葉にできないものを描く【Director’s Interview Vol.543】

『人はなぜラブレターを書くのか』石井裕也監督 言葉にできないものを描く【Director’s Interview Vol.543】

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円を描くように全てが繋がる



Q:本作では過去と現在が並行して描かれます。脚本を書く際、全体の構成はどのように組み上げられたのでしょうか。


石井:作劇的なテーマの一つとして、それぞれの時代、各エピソードが完全に独立・分離しているのではなく、隣り合わせになっていて、なんなら最終的には円を描くように全てが繋がっていく。そういった世界を作ることを目標に脚本を書いていました。ただし、かなり難しい試みでした。


Q:編集も脚本通りに繋げたのでしょうか。それとも編集段階で色々と組み合わせを試されたのでしょうか。


石井:ほぼ脚本通りだったと思います。今回は自分で編集も担当しました。自分で編集するのは自主映画ぶりでしたが、最後どうなっても必ず自分で繋げるという覚悟を決めて臨みました。



『人はなぜラブレターを書くのか』©2026映画「人はなぜラブレターを書くのか」製作委員会


Q:なぜ今回、ご自身で編集まで担当されたのでしょうか。


石井:メジャーな“東宝作品”としての構えで作ることは絶対の目標でした。ただ、この作品の構成は、実は通常のストーリーテリングのセオリーからかなり逸脱しています。そのため、脚本作りの段階では「もう少しセオリーに則って欲しい」と何度も言われました。例えば、エモーションの作り方やタイミング、あるいは、あのタイミングでボクシングのシーンをあんなに長くはやらない。などなど。そうしたセオリーを逸脱した構成を東宝メジャー映画として整えるためには、それ相応の編集、調和のさせ方が必要でした。そしてこれは自分の頭の中にある感覚的なことなので、僕にしかできないと判断した次第です。




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