「本当に正しいのか」考えるきっかけに
Q:「ADFEST 2025」や「SSFF & ASIA 2026」で本作をご覧になった方々の反応はいかがでしたか。
佐々木:お客さんの反応が怖くて見れなかったんです…(笑)。「ADFEST 2025」の時は自分がステージにいて後ろにスクリーンがあり、観客の皆さんの顔が見える状況だったのですが、怖くて遠いところを見ていました(笑)。「遺伝子操作」という大きなモチーフはあるものの、扱っている内容自体は「人に合わせなくてはいけない」という日本人特有の感覚なので、「外国の方々が観た時にどう思うのだろう」ということは気になりますね。
Q:企画段階で想像していたものと実際に出来上がったものでは、違いがあったのでしょうか。
佐々木:企画を考えていた時は「とりあえず書かなきゃ」と思っていて、「締め切りに間に合えばいいや、通らなくてもいいから出そう」という感じでした。だから出来上がった作品の想像を全くしていなかったんです。例えば、遺伝子操作で見た目が美しくなった男女を揃えなくてはいけないのに、実際にそれをどうやってやるのかは考えていなかった。やけくそで書いたのに、企画が通ってしまって「やばい!」と(笑)。そこからリファレンス探しを始めて、『わたしを離さないで』(10)などをかなり参考にしました。リファレンス探しの修行のようでしたね。
Q:「理想の見た目が手に入るのはお金持ちだけだ」という痛烈な社会批判も感じましたが、監督にはそういう思いもあったのでしょうか。
佐々木:ありましたね。整形や遺伝子操作もそうですが、生まれてくる赤ちゃんの病気をなくすことなども、結局はお金がないとできない。そういうものに先に手を出せるのはお金のある人や恵まれた人だと思うので、「それが本当に正しいのか」と考えるきっかけになればと思って作りました。
Q:大きなスクリーンで作品が上映されるお気持ちはいかがですか。
佐々木:すごくありがたいことだと思いつつ、やっぱり自分の作品は観られないです(笑)。本作を作ってから1年ぐらい経っているので、ポジティブに捉えれば自分が成長したと考えられるのですが、「あの時こうすればよかったな」とか「尺が短いな」とか、そういうことを思ってしまって。お客さんの顔はおろか、自分の作品も見られないという…(笑)。
Q:最後に皆さんへメッセージをお願いします
佐々木:本作はSNSが主流の現代において、特に若者に刺さるのではないかと思って作った作品です。たった5分なので、インスタグラムを見る時間を少し割いて、観ていただけたら嬉しいです。
本作『IM PERFECTION』は6月30日火曜日までオンライン視聴が可能です。詳しくは「SSFF & ASIA 2026」の公式サイトをご確認ください。

監督:佐々木実花
青山学院大学英米文学科卒業。2024年にTYO inc.に入社し、現在はプランナー・ディレクターとして活動中。
取材・文:CINEMORE編集部
SSFF & ASIA 2026 公式サイト:https://www.shortshorts.org/2026/