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予想を現実が越えてくる瞬間が、ドキュメンタリーの醍醐味。加瀬澤充監督『牧師といのちの崖』【Director’s Interview Vol.17】

予想を現実が越えてくる瞬間が、ドキュメンタリーの醍醐味。加瀬澤充監督『牧師といのちの崖』【Director’s Interview Vol.17】

 和歌山県白浜町にある観光名所・三段壁で、いのちの電話を運営しているの牧師・藤藪庸一。自殺志願者たちを死の淵から救い、生活再建を目指して共同生活をおくるという、彼の独自の取り組みに密着したドキュメンタリー映画『牧師といのちの崖』。本作の監督、加瀬澤充氏に話を聞いた。


Index


佐藤真監督への思い



Q:なぜ今回の映画のテーマは「自殺」だったのですか?


加瀬澤:そもそものきっかけでいうと、僕がこのテーマに興味を持った大きな理由が1つあります。それは、自分の師匠で映画美学校時代の講師、ドキュメンタリー監督の佐藤真さんの自殺でした。僕自身とてもショックの大きな出来事で、当時、僕は既にテレビでドキュメンタリーの仕事をしていたのですが、佐藤さんの訃報を聞いた時は、とにかく何か作らなきゃいけないという思いに駆られました。


 そこからまず、自殺という問題そのものにアプローチしていきました。その時に出会ったのが、白浜の三段壁でいのちの電話を運営している牧師の藤藪さんでした。そしてその企画は一度、テレビ番組として形になりました。




Q:最初はテレビ番組だった。


加瀬澤:はい。但し、テーマは同じですが今回の映画と内容は全然違いました。ただ、僕の中では映画作家でもあった佐藤さんと向き合いたいという思いもあったので、このテーマはどこかで映画にしたいという気持ちはずっと持ち続けていたんです。その後、新たに作り直した企画がTokyo docsという企画コンペで賞をいただいたり、文化庁の助成金も受けることが決まったりして、なんとか映画化までたどり着きました


Q:ドキュメンタリーの企画書とは具体的にどんなものなのでしょうか?


加瀬澤:テーマと、ストーリーライン、そして描ける内容など、ある種の想定を書いています。


Q:ストーリーラインとは?


加瀬澤:例えば、主人公がいて、何かが起きて、それにまつわる話があって、それを見ることで、こんなことが浮き上がってくるのではないか、みたいなものですね。


Q:ドキュメンタリーって、基本は起きたことを撮ってまとめいくものだと思っていたのですが、企画では内容を事前に決めるのですね。


加瀬澤:はい。企画を成立させる段階ではよくやります。こんなことが起こるであろう、そのことによって、結果こういうことが描けるのではないかということを企画書に落とし込むんです。



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