草なぎ剛と父親役
Q:父親の光一役を演じた草なぎ剛さんも、見てて結構驚きました。新しい一面も見えた気がするのですが、草なぎさんのキャスティングはどう決まったのでしょうか。
鶴岡:光一役はキャスティングの要だったので議論を重ね、その中で草なぎさんのお名前が挙がりました。正直なところ私には夢のような話でしたが、もし叶うのならこれ以上のことはないなと思って、本当にダメ元で「聞くだけ聞いてみましょうか」と言うことでオファーをしたら、OKを頂けたんです。何かすごいことになってきたなと徐々に実感が湧いてきました。
草なぎさんに決まる前は、私の中での光一は全然ダメダメで頼りない感じでした。なので、私が草なぎさんに持っていた清潔感にあふれたスターのイメージを、どう役にマッチさせていこうかなと思っていたのですが、衣装合わせの時に、草なぎさんが衣装になって現れたら、もうそこに光一がいましたね。全然大丈夫だなって安心しました。そんなに役どころについて深く話し合うこともなく、リハーサルの際に、サトシと光一はお互いにどう思っているのかみたいなことだけをお話して、現場に入った感じです。
Q:思春期の子どもを持つお父さんって、あんな感じの人いるよなって、絶妙に演じられていたと思います。草なぎさんが醸し出した感じは、父親として照れ隠しの部分もあるんでしょうね。
鶴岡:そうですね。父親には父親の戸惑いがあるんだろうなっていうところは、草なぎさんと共有していました。なおかつ自分は不倫をしているっていうことで後ろめたさも持っているので、親子で一緒にいる時はすごく気まずい空気が流れていいと思っていて、その辺はすごくうまく出していただいたかなと思います。