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ティム・バートン作品でお気に入り『ビートルジュース』
ティム・バートン映画で好きな作品はたくさんあるけれど、中でも『ビートルジュース』はお気に入りだ。久しぶりに観てみたら、やっぱりよかった。世界観や美術、ユーモアはもちろんだが、マイケル・キートン扮するビートルジュースの造形が最高だ。
『ビートルジュース』は、アレック・ボールドウィンとジーナ・デイヴィス扮する若い夫婦が、突然の交通事故で死んでしまうことから物語が始まる。夫婦は幽霊となって生前暮らしていた家の中だけに縛り付けられることになるが、そうこうするうちに家が売りに出されて、新たな住人が越してくる。痛々しいアーティストの妻をキャサリン・オハラ、金儲けに熱心な夫をジェフリー・ジョーンズ、そしてその連れ子で強烈なゴス少女リディアを、この役で一躍オタクのアイドルとなったであろう(多分)、ウィノナ・ライダーといった一家である。
幽霊夫婦はあの手この手でこの一家を自分たちの家から追い出そうとするが、新人幽霊の素人くさいやり方では全然うまくいかない。そこで、霊界のトラブルメイカーにして「バイオ・エクソシスト」(死者ではなく、生者に対するエクソシスト)であるビートルジュースに助けを求めてしまう。このタイトルロールでもあるハイテンションな道化キャラクターを、マイケル・キートンが演じている。蒼白な肌に緑色の髪、白黒ストライプのスーツで決めたビートルジュースは、まるで歩くびっくり箱。身体のあちこちから仕掛けが飛び出してくるような、見ているだけで楽しいキャラクターだ。