巨匠・瀬々敬久監督が、構想期間30年を経てついに映画化させた『菊とギロチン』。オーディションでその主演を見事に射止めた木竜麻生は、女力士という難しい役を体当たりで演じ「キネマ旬報」新人女優賞や東京国際映画祭のジェムストーン賞など、数々の賞を受賞。現在、注目度も一気に上がってきている彼女に、撮影当時の様子を中心に語ってもらった。
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これまでで一番緊張したオーディション
Q:今回の主演はオーディションで決まったそうですが、オーディションはどんな感じでしたか。
木竜:まず書類が通って、最初の1次面接では、主演の花菊役と他の女力士役全部交えてのオーディションでした。6~7人ずつみんなで役を変えながら順に演じていきました。その後の2次面接で、同年代を中心に何となく花菊役の候補になっていたと思います。その後、3次面接を経て最終の4次面接では、残り2人になっていて、そこで相手役の寛 一 郎君との合わせでお芝居を実際にやらせていただいて、決まりました。
Q:瀬々監督もずっと立ち会われたのでしょうか。
木竜:はい。最初からいらっしゃってましたが、1次面接は、緊張し過ぎて瀬々さんのことを全然覚えてなくて。。とにかく緊張していたことしか覚えてないんです。終わった後でも心臓の音がずっと鳴っているみたいでした。それまで受けたオーディションの中で一番緊張しましたね。
Q:一番緊張したのには理由があるのでしょうか。
木竜:映画の道に進みたいと思ってから、初めてのオーディションだったっていうのがまずあります。また、企画が「女力士役」ということもあり、募集要項からただならぬ感じがあって。。それなりの覚悟で臨んだのも大きな理由ですね。あと、オーディションの順番が一番最初だったんです。とにかくすっごく緊張してましたね。
Q:オーディションが進むにつれて、監督との会話は増えていきましたか。
木竜:2次、3次ぐらいまではあまりなかったのですが、最終面接で寛 一 郎君と芝居するときは、監督の指示がありました。ですが、役者がどういう動きをするか見たいようで、オーディション中に細かい指示はなかったですね。
Q:その後、見事主演に合格するわけですが、第一報を聞いたときの印象は?
木竜:オーディションは1ヶ月くらいかけてやっていたこともあり、結果が出た時はやっぱり嬉しかったです。でもそのすぐ後にやばい!って思いました(笑)。闘う日々が始まるなっていう予感がしましたね。