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女王と王の初対決!『モスラ対ゴジラ』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.26】

女王と王の初対決!『モスラ対ゴジラ』【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.26】

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健気な幼虫たちの仇討ち





 クライマックスは双子の幼虫モスラとゴジラとの決戦。親の仇を打とうと悪人ヅラのゴジラにモゾモゾと向かっていく幼虫が健気だが、地を這うだけかのように見えた幼虫たちは持っている力を最大限に使ってゴジラを攻撃する。こっそり背後から近寄ってゴジラの尻尾に噛み付くシーンはお気に入り。食らいついたまま離さず、ぶんぶんと振り回される幼虫もかわいいが、噛み付かれた瞬間に飛び上がらんばかりの叫び声をあげて、めちゃくちゃに痛がっているゴジラも可笑しい。


 岩場という地形を生かして、幼虫たちは物陰からゴジラに向かって糸を吐きかける。ゴジラも熱線で応戦するが、まるで銃撃戦のようにタイミングよく岩に隠れる幼虫には当たらない。そうこうするうちに腕もまともに動かせないほどに糸でかためられたゴジラは異様な姿になり、そのまま岩場を転がり海に落っこちて退場。生死は不明。コミカルさもあってテンポもよく、なによりパワフルなゴジラに立ち向かう幼虫たちを応援したくなる戦いだった。親の仇討ちというのがわかりやすい。


 やられ役のゴジラだが、上述のように遠景に現れたときの怖さや、建物を破壊する力強さは十分に発揮されていて、だからこそモスラたちの善戦が際立つ。モスラはヴィジュアルもポップだが、風起こしや糸吐きといったアクションも楽しいと思う。仕掛けがいっぱいの怪獣バトルの楽しさと同時に、卵を我が物にしようとする人間たちや、核実験によって汚染されたインファント島の描写など、人類への睨みをきかせつつも、誠意を込めて島民やモスラに願う主人公たちや、それに応えるモスラや小美人といったドラマもある。のちに女王と王として君臨するまでに至る二大怪獣のファーストコンタクト、記念すべき作品だと思う。




イラスト・文:川原瑞丸

1991年生まれ。イラストレーター。雑誌や書籍の装画・挿絵のほかに映画や本のイラストコラムなど。「SPUR」(集英社)で新作映画レビュー連載中。 

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