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『Wの悲劇』はミステリーの名作が起源? タイトルのルーツをたどる楽しみ方 

(C) KADOKAWA 1984

『Wの悲劇』はミステリーの名作が起源? タイトルのルーツをたどる楽しみ方 

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内容は無関係でもタイトルはそっくり!?



 「Wの悲劇」のように、名作のタイトルを新たな作品のタイトルに引用するパターンは、他にもたくさんある。ただ、洋画の邦題の場合は、ふざけたパロディや、あからさまな便乗商法が感じられる。たとえば『電車男』に乗っかった『バス男』(原題は『Napoleon Dynamite』)などなど。 


 近年の最もメジャーな例を挙げるとしたら『君の名は。』だろうか。1953~54年、伝説的ラジオドラマから3部作映画になった『君の名は』(その後、NHK朝ドラにもなった)とは、もちろん別物。しかし、ともに男女のすれ違いのドラマを描いているし、『君の名は』は第二次世界大戦、『君の名は。』は東日本大震災(を連想させる災害)を描いており、未曾有の悲劇という共通項もある。もちろん「君の名は?」というセリフも両作品に出てくるので、タイトルの響きが時を超えて日本人の心に訴えるものがあるのかもしれない。


 作り手の引用が明らかな例もある。『12人の優しい日本人』だ。三谷幸喜が戯曲として書いた作品で、後に映画化もされたが、引用元は法廷サスペンスの傑作として名高い、シドニー・ルメット監督の『十二人の怒れる男』。陪審員たちによる二転三転の攻防がエモーショナルな結末を導いた作品だが、当時の日本にはなかった、この陪審員というシステムを三谷幸喜が劇作に仕立てた。「アメリカ人=怒れる」「日本人=優しい」という対比も意識しながら、ルメット作品へのオマージュとして楽しませてくれた作品だった。



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