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『十三人の刺客』ジム・ジャームッシュも陶酔した!?集団抗争時代劇の系譜

『十三人の刺客』ジム・ジャームッシュも陶酔した!?集団抗争時代劇の系譜


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時代劇の歴史を変えたエンドレスに続く壮絶バトル



 三池崇史版『十三人の刺客』は、クライマックスの50分に及ぶ壮絶な死闘が最大の見せ場だが、1963年のオリジナル版でもラストの決戦は30分に及んでいる。。


 三池版では刺客13人に対して明石藩士が300人ととんでもない数に増えているが、オリジナル版では53人。しかしいくら斬っても終わることのない死闘を観ていると、絶対に53人以上いるとしか思えない。その点は1990年のテレビドラマ版も同様で、こちらは19分間と比較的短めではあるが、それでも観ている側がヘトヘトになるまで、刺客団と明石藩士は延々と戦い続けるのだ。


 1963年の『十三人の刺客』は、映画史的には「集団抗争時代劇」という新ジャンルを打ち立てた傑作というのが定説になっている。「集団抗争時代劇」では剣客が一対一の決闘を繰り広げるのではなく、それぞれに目的を持った集団と集団がぶつかり合う。いわば時代劇における団体戦だ。


 工藤栄一は『十三人の刺客』の後も『大殺陣』(1964)や『十一人の侍』(1967)など同趣向の時代劇を手がけている。また「集団抗争時代劇」のひとつに数えられる『十七人の忍者』(1963)や『忍者狩り』(1964)では、三池版『十三人の刺客』で他を圧倒した松方弘樹の実父・近衛十四郎のみごとな殺陣を観ることができる。


 「集団抗争時代劇」は時代劇からノスタルジーやヒロイズムを引き剥がす試みだった。実際、工藤栄一は『十三人の刺客』では細かく殺陣を付けず、役者同士ざっくばらんに斬り合わせた。ひたすら剣の道に打ち込んできた侍も集団に囲まれればなすすべがなく、また集団で一人を囲んでいても、斬られることにビビると手出しができない。


 華麗なチャンバラが売りの伝統的な時代劇と「集団抗争時代劇」の違いを、ロマンあふれるマフィア映画『ゴッドファーザー』(1972)とドライな暴力が炸裂する『グッドフェローズ』(1990)の違いになぞらえてみたいのだが、みなさんには同意していただけるだろうか?



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