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『シザーハンズ』衣装デザインに秘められた、登場人物の心理とは ※注!ネタバレ含みます。

(C)2015 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『シザーハンズ』衣装デザインに秘められた、登場人物の心理とは ※注!ネタバレ含みます。

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中盤に飛び込んでくる「赤」



 バートン作品はどれも、美術、キャラ造形、音楽、ユーモア感覚など様々な要素が、我々の目を楽しませ、耳を喜ばせ、心を弾ませる。その一つ一つに着目しだすとキリがないが、とりわけ本作で筆者の目を引いたのは「衣装」だった。バートン作品の常連、コリーン・アトウッドの手がける衣装もまた、登場人物の心理を伝える上で大きな効果を担っていることに気づかされたのである。


 まずもって『シザーハンズ』を構成する世界は、小高い丘の上に「バートン印」のゴシック様式のお城があって、その色彩とは全く整合性の取れないパステルカラーの住宅街が真下に広がっている。


 そんな“あっち側”から“こっち側”へとやってくるエドワードが最初に着ているのはレザー生地の衣服。まるで『ヘルレイザー』(87)のような異世界のファッションだ。彼は“こっち側”へ来るのと同時に純真無垢な心を象徴するかのような白いシャツに腕を通し、住民たちとの和やかでコミカルな交流を深めていく。



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 が、本編時間が40分を過ぎる頃、映画を彩る色彩にも変化が起こる。炎の揺らめくデザインをあしらった黒い車が現れ、そこからさりげなく「赤い服」を着たキム(ウィノナ・ライダー)が登場する。明らかな転調のサインだ。ちなみに、本作の冒頭に現れる老婆も赤い服を着ていて、すぐ近くには暖炉の炎。この時点ですでにバートンが目配せしているようにも思えてくる。


 そして、夜のしじまを貫く二人の絶叫の初対面シーン。エドワードは次のシーンで「真っ赤なガウン」を着て、さらに目を真っ赤に充血させてしまっている。彼の中で明らかに何か新しい感情が芽生えたことが一目でわかる演出だ。



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