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『ローガン・ラッキー』音楽担当で映画のテイストが分かる!?ソダーバーグ映画を支える音楽家たち

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『ローガン・ラッキー』音楽担当で映画のテイストが分かる!?ソダーバーグ映画を支える音楽家たち

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DJ的な選曲センスに裏打ちされたデヴィッド・ホルムズの映画音楽



 ホルムズがやってのけたのは、既存のポップソングをちりばめて映画全体のテンポを創り出し、自作のスコアを絡めながらノリをキープするスタイル。『アウト・オブ・サイト』は『オーシャンズ11』にも通じる粋な犯罪ドラマであり、似た路線の『オーシャンズ11』で再起用されたのも納得の人選だった。


 ホルムズは『ローガン・ラッキー』以外ではソダーバーグ初の本格アクション『エージェント・マロリー』(2012)でも組んでいる。マルティネスが“静”の音楽だとすれば、ホルムズの音楽は“動”の要素を受け持っていると言えるだろう。つまり『ローガン・ラッキー』の内容を知らなくともホルムズが音楽担当だとわかれば、小気味いいタッチのエンタメ作になるであろうことは大方予測が付くのだ。



『ローガン・ラッキー』© 2017 Incarcerated Industries Inc. All Rights Reserved.


 もうひとつ、ホルムズの仕事の特徴として「さすがDJ!」と唸らされる選曲センスが挙げられる。『アウト・オブ・サイト』では劇中でも流れるアイズレー・ブラザーズ の軽快なソウルナンバー「It's Your Thing」を基調にして、60年代の香りをサントラに持ち込んでみせた。また、登場人物のセリフも巧みにミックスしたサントラ盤CDもDJらしいセンスが光っていた。


 『ローガン・ラッキー』にあたっては、ホルムズはまず内容に合うカントリーソングやサザンロックを何百曲もピックアップしてソダーバーグに送ってきたという。結果、採用された既成曲は作品全体のトーンを決定づける大きな役割を果たし、ホルムズはテイストを合わせたオリジナルスコアも作曲している。アイルランド人のDJが、アメリカ南部の心を音楽で表現してしまうとは! 最近ではノエル・ギャラガーのソロアルバムをプロデュースするなど映画以外でも引っ張りだこのホルムズだが、映画界に復帰したソダーバーグから今後も重宝されるに違いない。



文: 村山章

1971年生まれ。雑誌、新聞、映画サイトなどに記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。



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映画公式サイト: http://www.logan-lucky.jp/

提供:東北新社 

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/STAR CHANNEL MOVIES

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