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『オーシャンズ8』ソダーバーグから受け継いだ、ゲイリー・ロスの『オーシャンズ』シリーズへのリスペクト

『オーシャンズ8』ソダーバーグから受け継いだ、ゲイリー・ロスの『オーシャンズ』シリーズへのリスペクト

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1960年代から受け継がれた“ユルい犯罪映画”の伝統



 『オーシャンズ11』(2001)から17年、『オーシャンズ13』(2007)からは11年。三部作として完結した――というより、レギュラーメンバーだったバーニー・マックの夭折によって終止符が打たれた「オーシャンズ」シリーズに、まさかの続編が誕生した。三部作の主人公だったダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の実妹デビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)が、新たな犯罪チームを結成する『オーシャンズ8』だ。


 『オーシャンズ8』と『オーシャンズ11』はまるで双子のような構造を持っている。刑務所に収監されていたダニー/デビーが、仮釈放の審査を受けるシーンから始まり、更生する誓いを立てて出所するやいなや、昔なじみの仲間を誘って、練りに練った犯罪計画に着手する。冒頭から本筋への流れもまるで双子のように似ている。ケイト・ブランシェット扮するルーは、ブラッド・ピットが演じた頼れる相棒ラスティに相当する役どころだし、チームの人数は違えど、どのキャラとどのキャラが似たポジションを担っているのかを比較しながら観るのも楽しいだろう。




 「オーシャンズ」シリーズには、目も眩むようなオールスターキャストが勢ぞろいして、華麗な犯罪計画を成功させるイメージがあるが、実はかなり独特の空気感を持ったアグレッシブなアプローチを取っている。。享楽の街ラスベガスやヨーロッパなど、世界を股にかけて大仕事をやってのける点では“華麗なる犯罪チームと言えるかも知れないが、メンバーがドジを踏むことは数知れず、その度に軌道修正を繰り返し、「こいつら大丈夫か?」と心配していると、思わぬどんでん返しで最後は帳じりを合わせてしまう。観客はどこか煙に巻かれるような気分を、オールスターのリラックスした遠足みたいなノリと一緒に楽しむ――そういうエンタメなのだ。



 そもそもの成り立ちは1960年に遡る。当時のアメリカ芸能界でフランク・シナトラを中心につるんでいた一団(ラット・パックと呼ばれていた)が「一丁、ラスベガスで遊びながら映画を撮ろうぜ!」と軽い気持ちで映画『オーシャンと11人の仲間』を完成させたのだ。ダニー・オーシャン役はフランク・シナトラ、仲間を演じたのはディーン・マーティンやサミー・デイヴィスJr.といった当時の名うてのエンターテイナーたち。元軍人のダニーがかつての戦友を集めてラスベガスの5大カジノの金庫を狙う、という話の骨格は、ほぼそのままリメイク版である『オーシャンズ11』に受け継がれている。


 『オーシャンズ11』『12』『13』を監督したスティーヴン・ソダーバーグは、オリジナルに敬意を表しながらもどこかディスっているような発言が多い。ソダーバーグの意図は要するに、「デキの悪いオリジナルを面白くなるように料理してみた」ということなのだが、オリジナルが持っていた深刻さとは無縁の“ユルさ”は、シリーズを通して受け継がれることになった。ジョージ・クルーニーが「年の割に老けている」とイジられたり、ブラッド・ピットがやたらとジャンクフードを食べていたり、若僧扱いのマット・デイモンがマヌケ面を晒したりと、本筋以外のお遊びがやたらと目立つのも、意外なほどオリジナルと共通している。まさに“余裕のある大人たちの遊び”である。



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