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『オーシャンズ8』ソダーバーグから受け継いだ、ゲイリー・ロスの『オーシャンズ』シリーズへのリスペクト

『オーシャンズ8』ソダーバーグから受け継いだ、ゲイリー・ロスの『オーシャンズ』シリーズへのリスペクト


ひと昔前の映像表現をリフレッシュさせた旧三部作



 前述したとおり、2008年に犯罪チームの一人を演じていたバーニー・マックが亡くなり、ソダーバーグは「バーニーのいない続編はあり得ない」とシリーズを封印した。その後、サンドラ・ブロック主演で女性版「オーシャンズ」が作られる――という噂は何度も聞こえてきたが、ようやく実現したのが『オーシャンズ8』である。


 サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイら、オスカー受賞経験もある大女優の名がズラリと並ぶのは、まさにシリーズの伝統を踏まえた超豪華なオールスターキャストと言える。一時はジェニファー・ローレンスまで出演予定に入っていたのだが、スケジュール調整がうまくいかず実現しなかったという。




 これは『オーシャンズ11』の時にも似た事情があった。例えばマット・デイモンが演じたラスティ役は当初マーク・ウォールバーグがやるはずだったし、モロイ兄弟はオーウェン・ウィルソンとルーク・ウィルソンという実際の兄弟が演じる案もあった。他にもブルース・ウィリス、レイフ・ファインズ、アラン・アーキンといった大物の名前が浮かんでは消えており、『オーシャンズ11』のメンバーは、最終的に都合がついた顔ぶれに過ぎないとも言える。


 しかし最終的なメンバーが生んだノリが、シリーズの方向を決定づけた。今回の『オーシャンズ8』のメンバーにも、旧三部作に通じるベタつかない仲間意識が感じられ、肩の力が抜けたリラックスした空気がスクリーンからあふれ出ている。また、どれだけ大物スターが出演しても「スタープレイヤーではなくチームプレイヤーである」というスタンスはソダーバーグ作品の特徴であり、監督がゲイリー・ロスに替わった『オーシャンズ8』でもはっきりと受け継がれているのである。


 またソダーバーグ自身は、「オーシャンズ」三部作に共通する特徴として「スプリット・スクリーン(分割画面)」の多用を挙げている。ソダーバーグには「最近の映画業界で流行らなくなったジャンルや表現方法を復活させたい」という強迫観念にも似た執着がある。『オーシャンズ11』も「昔風のオールスター映画を今風にアレンジする」試みであったことは先にも述べた。


 ただし「オーシャンズ」シリーズで随所に見られるスプリット・スクリーンやカメラズームは、主に60~70年代に流行したものだが、オリジナルの『オーシャンと11人の仲間』に顕著なわけではない。むしろノーマン・ジェイスン監督らが『華麗なる賭け』(1968)などで探求した、当時では斬新だった手法を、ソダーバーグが新たに再発見し探求してみせたのが「オーシャンズ」シリーズの映像スタイルだったのだ。






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