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『ローガン・ラッキー』名曲「カントリー・ロード」が誕生した理由と、ソダーバーグ式犯罪映画術の意外な関係

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『ローガン・ラッキー』名曲「カントリー・ロード」が誕生した理由と、ソダーバーグ式犯罪映画術の意外な関係

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『ローガン・ラッキー』あらすじ

足が不自由で仕事を失い、家族にも逃げられ失意の人生を送る炭鉱夫ジミー・ローガンにはある企みがあった。それは、まもなく開催される全米最大のモーターカーイベントNASCARのレース中に大金を盗み出すという<前代未聞の強奪計画>―。早速、戦争で片腕を失った元軍人で冴えないバーテンダーの弟クライドと、美容師でカーマニアの妹メリーを仲間に加えたジミーだったが、ツキに見放されてきたローガン一家だけでは頼りがない。そこで、この大胆な犯行を成功させるため、爆破のプロで現在服役中の変人ジョー・バングに協力を仰ぐ。彼を脱獄させてレース場の金庫を爆破した後、看守が彼の不在に気づかないうちに刑務所に戻すという作戦だ。レース当日、ローガン一味は、何百万ドルもの売上金を運ぶ気送管設備があるサーキットの地下に侵入。全米犯罪史上最も驚くべき強盗事件は成功したかのように見えた…しかしFBI捜査官の執念深い捜査の手がすぐそこまで迫っていた――。


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2017年は「カントリー・ロード」の当たり年か?



 アカデミー賞受賞の名監督スティーヴン・ソダーバーグが、4年ぶりに映画監督業に復帰した『ローガン・ラッキー』。ウェストバージニア州で生まれ育った田舎者の兄弟ジミー・ローガン(チャニング・テイタム)とクライド・ローガン(アダム・ドライヴァー)が、不運に見舞われてきたセコい人生をひっくり返そうとレーシング場の売上金を強奪しようとするクライムコメディだ。


 劇中で重要な役割を与えられているのが、カントリーミュージック界のスター、ジョン・デンバーの1971年の大ヒット曲「カントリー・ロード」だ。主人公ジミー・ローガンのお気に入りの曲で、別居中の愛娘との絆を表す役割だけにとどまらず、物語の舞台となったウェストバージニアの人たちの郷土愛の深さが、この曲に集約されているのである。


『John Denver - Take Me Home, Country Roads』


 同曲はカントリーミュージックでも屈指の有名曲であり、大勢のアーティストからカバーされ、映画やドラマに使われることも多い。日本ではジブリアニメ『耳をすませば』(1995)のテーマソングにもなり、ヒロインの声を務めた本名陽子が日本語詞でカバーしていた。


 そんな定番中の定番曲ながら、今年(2017年)の映画界ではやたらと「カントリー・ロード」を耳にする。それも「カントリー・ロード」の歌詞に歌われているウェストバージニア州が舞台の『ローガン・ラッキー』はもとより、はるか宇宙を舞台にしたSFスリラー『エイリアン:コヴェナント』でも、英国紳士のスパイが活躍するアクションコメディ『キングスマン:ゴールデン・サークル』(日本公開は2018年)でも、「カントリー・ロード」が物語のキーになっているのだから驚かされる。偶然の一致とはいえ、発表されて46年経つとは思えぬ人気っぷりだ。


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