1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦
  4. 『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』皮肉にも傑作揃いのナチス・ドイツの闇を探究する異色サスペンス
『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』皮肉にも傑作揃いのナチス・ドイツの闇を探究する異色サスペンス

© 2016 Project Anth LLC All Rights Reserved.

『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』皮肉にも傑作揃いのナチス・ドイツの闇を探究する異色サスペンス

PAGES


ナチスの狂気と耽美の両義性を見据えた異色作『ゴールデンボーイ』



 よく指摘されることだが、ナチスの恐ろしさのひとつに、人をわかりやすく高揚させるキャッチーな美学を備えていることが挙げられる。『ワルキューレ』のブライアン・シンガー監督は、それ以前にもナチスをモチーフにした『ゴールデンボーイ』(1998年)という映画を撮っているのだが、それはナチスの狂気と耽美の両義性がキモになっている。


 原作は人気作家、スティーヴン・キングの小説(『ショーシャンクの空に』や『スタンド・バイ・ミー』の原作を含む名中篇集『恐怖の四季』の一篇)。主人公は1980年代のロサンゼルス郊外で暮らす、表向きは優等生だが、実はナチスへの危険な興味を深めている男子高校生(ブラッド・レンフロー)。そんな彼が、なんと元ナチス将校の戦犯の隠遁老人(イアン・マッケラン)に出会って交流を深めるという異色のミステリー・サスペンスだ。もちらんこちらはフィクション。


 史実をソリッドに映画化した『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』並びに『ワルキューレ』が気に入った人は、ナチスという特異な存在が想像力を刺激する、一風変わった応用編として『ゴールデンボーイ』に駒を進めてみるのはいかがだろうか。なお、ブライアン・シンガーがユダヤ系であることは最後にしっかり記しておきたい。




文: 森直人(もり・なおと)

映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「TV Bros.」「メンズノンノ」「キネマ旬報」「映画秘宝」「シネマトゥデイ」などで定期的に執筆中。



作品情報を見る



2017年8月12日(土)より新宿武蔵野館他全国順次公開 


※2017年8月記事掲載時の情報です。

PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦
  4. 『ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦』皮肉にも傑作揃いのナチス・ドイツの闇を探究する異色サスペンス