2019.07.02
『スタンド・バイ・ミー』あらすじ
1959年オレゴンの小さな町キャッスル・ロック。文学少年ゴーディをはじめとする12才の仲良し4人組は、行方不明になっている少年が、森の奥で列車に跳ねられ死体のまま野ざらしになっていることを知る。死体を発見すれば一躍ヒーローになれると思い、4人は不安と興奮を胸に未知への旅に出る。たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残すのだった・・・。
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暑くなると思い出す
毎年、暑くなる初夏の時期になると『スタンド・バイ・ミー』(86)を思い出す。日本では1987年4月に公開になっているが、私は公開から随分と遅れた夏が始まる頃に、かつて地元に存在した寂れた名画座でこの映画を見た。ちょうど、この映画の主人公たちと同じ年頃の中学生だった。
『スタンド・バイ・ミー』は、ホラー小説の文豪スティーヴン・キングの短編集『恐怖の四季』の秋編『スタンド・バイ・ミー 秋の目覚め(原題The Body : Fall From Innocence)』が原作になっている。原題は「死体」というスティーヴン・キングらしいホラーぽいタイトルだが、映画ではエンディングで流れるベン・E・キングの名曲から『スタンド・バイ・ミー』がタイトルになった。スティーヴン・キングの自叙伝ではないが、随所に彼自身が少年の頃のエピソードが元になっている部分もある。
『スタンド・バイ・ミー』予告
スティーヴン・キングと言えば、『キャリー』(76)や『ミザリー』(90)などをはじめとする数多くの作品が映画化されており、『スタンド・バイ・ミー』の原作短編集『恐怖の四季』の春編『刑務所のリタ・ヘイワース』は、映画『ショーシャンクの空に』(94)の原作である。
そのスティーヴン・キング作品にとってお馴染みの「キャッスルロック」という架空の人口1,200人ほどの小さな町が舞台である*1。1959年、暑い夏のことだった。その町からちょっと離れた線路沿いで少年が死体となっているという噂を聞き、12歳の”頭脳明細”ゴーディ(ウィル・ウィートン)が、木の上にある秘密基地に集まる仲間、”カリスマガキ大将”クリス(リバー・フェニックス)、”クレイジーでムチャな男”テディ(コリー・フェルドマン)、”抜けている天然”バーン(ジェリー・オコネル)とともに、「町で英雄になるために」死体を探しに出る――、という物語である。
*1 他のスティーヴン・キング作品に出てくる「キャッスルロック」はメイン州にある架空の町だが、本作品のキャッスルロックはオレゴン州の架空の町となっている。