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『スパイダーマン:ホームカミング』CG全盛のアクション映画界で、若き体育会系が生身のスタントで魅せる!
2017.08.21
類い稀なるトム・ホランドの身体能力
監督のジョン・ワッツは「スパイダーマンが映っているシーンは、基本、トム(・ホランド)の動きだと思ってもらっていい。スーツ姿の彼を撮っているか、あるいは彼自身によるパフォーマンス・キャプチャーのCG化か、そのどちらかだ」と、ホランドの能力に太鼓判を押していた。これはちょっと“盛った”発言だとは思うが(トム・ホランドも「全部の動きが僕っていうのは、大げさだよ」と笑っていた)、過去のスパイダーマン俳優たち、トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールドに比べ、しなさかさ、俊敏さ、ジャンプ力、瞬発力など、どれをとっても見劣りはしない。いや、格段にすぐれている。初作品の公開時、マグワイアが26歳、ガーフィールドが28歳なので、トム・ホランドの動きが若々しいのは当然と言えば当然だが……。
トビー・マグワイアも、アンドリュー・ガーフィールドも、スパイダーマン役をつかむまでは、どちらかといえば「繊細系」な役が多かった。マグワイアに至ってはヴィーガン(厳格なヴェジタリアン)であり、アクションヒーローとの大きなギャップも感じられる(そのあたりが、ピーター・パーカー役に合っているのだが)。
一方のトム・ホランド。外見はややソフトな印象だが、完全なる肉体派志向なのである。11歳でダンススクールに通い始め、才能をメキメキと伸ばし、アクロバットや器械体操も経験。その能力が買われ、ロンドン、ウエストエンドのミュージカル「ビリー・エリオット」(あの『リトル・ダンサー』の舞台化)の主人公ビリー・エリオット役に抜擢される。そこでさらにクラシックバレエやヒップホップダンスの特訓を重ね、通っている高校ではラグビー部に所属するという、絵に描いたような体育会系。劇中ではホテルの部屋でバック宙を披露するシーンもあるが、多少CG処理されているとはいえ、彼自身の動きではないかと思われる。