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『プーチンの愛国教室』陰謀論をインストールされる子どもたち、戦時下の教育現場に見る「現実」という暴力

© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.

『プーチンの愛国教室』陰謀論をインストールされる子どもたち、戦時下の教育現場に見る「現実」という暴力

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“映画が世界を救う”こと



 勇敢にも、反政府デモに参加したりゲリラ的に戦争反対を掲げる者もいる。しかし、すぐに逮捕され、ブラックボックスの中で命も保証されない状況に置かれてしまうのが現実だ。そうした行動に出る者が、ごく一部にとどまるのも仕方がないのかもしれない。しかし、そうした日々のなか事態がどんどん進行し、自分が、自分の子どもたちが、戦争から逃れられなくなってしまうのも、また事実である。


 真綿で首を絞めるように、日常から侵略されていく恐怖……。本作『プーチンの愛国教室』は、われわれの周りでも起きつつある現実こそが、最もおそろしい暴力のかたちであることを認識させる。それは、既存のホラー、スリラー映画がもはや牧歌的に感じられるほど、真に戦慄する恐怖なのではないか。



『プーチンの愛国教室』© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.


 興味深いのは、パーシャがもともと、政治運動に尽力するような人物ではなかったということだ。彼は、国から撮影する役割を与えられ、現実そのままを撮影していたに過ぎない。しかし、結果的に彼は、自身の強烈な違和感や正義感から、反骨精神を必死に搾り出して、恐怖に怯えながら、目の前の異常な事実を世界に公表するという偉業を成し遂げたのである。


 その命がけの行動は、われわれ観客一人ひとりに、自分たちの周りの恐怖を打ち破ろうとする勇気を与えてくれるかもしれない。圧倒的な権力が人々の意識や思想を縛ろうとする社会において、そうした行動の一つひとつが伝播し、状況を変えていくことがあるのだとすれば、“映画が世界を救う”ことは、夢物語ではないといえるだろう。



文:小野寺系

映画仙人を目指し、さすらいながらWEBメディアや雑誌などで執筆する映画評論家。いろいろな角度から、映画の“深い”内容を分かりやすく伝えていきます。

Twitter:@kmovie



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『プーチンの愛国教室』

シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開中

配給:トランスフォーマー

© 2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.

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