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狂気はジョーカーだけではない!ゴッサム・シティ犯罪者ガイド【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.32】

狂気はジョーカーだけではない!ゴッサム・シティ犯罪者ガイド【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.32】

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ベントリロクエスト / ポイズン・アイビー / キラークロック





・ベントリロクエスト

 とにかく個性豊かなバットマンの悪役の中で、ひとり眼鏡に禿頭の地味なおじさんがいるのを見たことないだろうか。変わったところと言えば手に顎がカチカチと動くような腹話術人形を持っているくらい。しかし、その人形が問題なのだ。ベントリロクエストとは腹話術師のことだが、アーノルド・ウェスカーというこのおじさんは手に持った人形、その名もスカーフェイスの人格を通して悪事に手を染める。人形の人格が暴走し、当の腹話術師はその言いなりのような形になっているが、しかし当然全てはウェスカーひとりでしでかしていることである。ウェスカーにとって人形スカーフェイスとは、トゥーフェイスにとっての焼けただれた顔の半分と同じ、ダークサイドを引き出すトリガーと言えるだろう。本人が平凡な外見でありながら手に持った人形を通して悪さをするというのはまさにバットマンの悪役らしい狂気性だと思う。


・ポイズン・アイビー

 植物を偏愛する植物学者パメラ・アイズリーは、師事していた博士に実験台にされたことで身体が変容し、緑色の肌に光合成能力、人を操るフェロモンまで出せる植物怪人ポイズン・アイビーに生まれ変わる。人を操り、致死性の毒を出して殺めることもできる恐ろしい彼女だが、ほかの怪人と一味違うのは、彼女の犯罪はいずれも植物を守るためであるということ。自分の家族同然、いや、身体の一部も同然である植物のためなら手段を選ばないからこそ、彼女は人間を敵にまわすのである。


 しかし彼女を魅力的なキャラクターにしているのは、恐ろしい力だけではない。利害が一致さえすればバットマンと共闘もするし、植物にとって脅威でない限りは優しささえ垣間見せるといった側面が、キャラクターに厚みを与えている。特にハーレイ・クインとの友情はアイビーのポップさを象徴するところでもある。この組み合わせを初めて知ったときは少し意外だったけれど、陽気なハーレイとクールなアイビーのコンビには、誰も止められなさそうな伸び伸びとした勢いがあって楽しい。ジョーカー抜きでいち個人として確立されたハーレイも、アイビーと一緒にいるときのほうがより生き生きとしている印象がある。


・キラークロック

 生まれつきワニの遺伝子を持ったウェイロン・ジョーンズは、時代とともにどんどん姿がモンスター化していったキャラクターである。当初はせいぜいうろこのある人間程度だったのが、どんどんワニっぽさが増し、身体も巨大なクリーチャーへと変わり、怪力の度合いも強くなっていった。映画『スーサイド・スクワッド』では比較的人間のフォルムだが、メディアによっては服を着た大きなワニのように描かれることも少なくない。『レゴバットマン ザ・ムービー』にも登場するが、レゴ人形でのキラークロックは、大きなボディに顔だけは昔からあるレゴのワニの頭がついているという可愛らしい造形になっていた。狂人ばかりとは言え基本は人間的な姿形をした怪人ばかりのゴッサムの犯罪者たちにあって、時折こういう大柄なクリーチャー的なやつがいると、メリハリが出ておもしろい。



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