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心惹かれる脚本は、感情に訴えかけてくる何かがあるかどうか『ワイルド・ローズ』トム・ハーパー監督【Director’s Interview Vol.62】

心惹かれる脚本は、感情に訴えかけてくる何かがあるかどうか『ワイルド・ローズ』トム・ハーパー監督【Director’s Interview Vol.62】

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本編を彩った音楽が生まれるまで



Q:音楽は本作のもう一つの主役とも言えますが、どのように作られたのでしょうか。


トム:サウンドトラックは3つのパートで構成されている。最初はスコットランドにいるローズ、次はナッシュビルにいるローズ、最後はオリジナル曲だね。


映画ではローズが詞を書き始めるのは物語の最後だから、それに合わせて撮影が終わった後に作詞作業に入った。はじめは脚本のニコールにローズの後日談を少し書いてもらって、それを元に他の作詞家に詞を作ってもらおうと思っていたんだ。でも、ニコールに映画の後のローズの感情や彼女の人生がどんな風になるのかを書いてもらっている中で、”Covered in regret”という別れた恋人とのタトゥーを後悔する曲が生まれたんだ。


それならいっそ、そのままニコールに歌詞を書いた方がもらった方が良いと思ったんだ。その頃にはジェシーも作詞を始めていたし、他のアーティストにお願いするのではなく、みんなで一緒に作ることにしたんだ。




Q:音楽監督のジャック・アーノルドとの仕事はいかがでしたか。 


トム:ジャックとは、これまで色々なプロジェクトで一緒に働いてきたんだ。だから、この映画で一緒に仕事をするのは自然な成り行きだったね。僕たちは音楽的な感性が同じだし、何より彼はすごく実直で、彼の持つ感性が作品の中のカントリーミュージックにおいてはすごく重要だった。彼は僕やジェシー、ニコール、ミュージシャンたちに音楽面でのビジョンを共有してくれて、僕たちを一つにしてくれたよ。


Q:参加したミュージシャンについて


トム:脚本のニコールはフィル・カニンガムとアリー・ベインに参加してもらいたいと思っていたみたいなんだ。最高のアイデアだとは思ったけど、どうやって彼らに”イエス”といってもらえるかを考える必要があったね。


ぼくたちはまず彼らのライブに行って、グラスゴーを舞台にした音楽の映画を作りたいと相談したんだ。そうしたら企画に興味を持ってくれて、ニコールの脚本を読んだらすぐに参加してくれることになった。ミュージシャンたちが参加してくれたのは自然な流れだったね。


Q:最後に観客の皆さんにメッセージを


トム:この作品を、素晴らしい音楽がつまった、楽しい映画であると感じてほしいね。人生に簡単な答えはないし、それを探すのに皆苦労していると思う。この映画は若い女の子が可能性を追い求め、困難に立ち向い成功を掴み取る物語だ。そして、彼女自身の歌手としての夢や、母親や子どもたちにとって最良の選択をするための物語でもあるんだ。彼女が夢を叶える姿はすごく感動的だよ。



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監督:トム・ハーパー

1980年、イギリス生まれ。短編映画『Cubs(原題)』(06・未)で英国アカデミー賞にノミネートされ、その才能が注目される。その他『ウーマン・イン・ブラック2 死の天使』(14)、ポール・ダノ、リリー・ジェームズ出演のTVシリーズ「戦争と平和」(16)、「フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ」(17)、フェリシティ・ジョーンズ、エディ・レッドメイン共演の実話に基づいた『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』(19)など。



構成:CINEMORE編集部






『ワイルド・ローズ』

6月26日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

配給:ショウゲート

(c) Three Chords Production Ltd/The British Film Institute 2018

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