映画とはアンガージュマンであるべき
Q:今回はプロデューサーも兼ねて、比較的自由に映画が撮れたとのことですが、今後はどういった映画を作っていきたいですか。
ピエトロ:プロデューサーを兼ねてはいますが、あまり商業的な視点で自分の作品を見ることは出来ないんです。自分にとって映画とは、アンガージュマン*でなくてはならず、自分が信じたものであるべきだと思っています。
今後の作品はドキュメンタリーかもしれないし、フィクションかもしれない、または歴史物になるかもしれません。ジャンルはまだ何になるかわかりませんが、とにかく内容的に必要性があって、実験的に希求すべきものを撮っていきたいと思っています。
(*アンガージュマン:フランス実存主義の用語。知識人や芸術家らの、政治的・社会的参加および態度決定の意味。)
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©Kazuko Wakayama
監督・脚本:ピエトロ・マルチェッロ
1976年7月2日、イタリア、カゼルタ生まれ。美術学校で絵画を学び、ナポリのモンテサント地方のDAMMコミュニティセンターの創立者の一人となる。2009年、初の長編監督作品『The Mouth of the Wolf』が第27回トリノ映画祭で国際批評家連盟賞、観客賞を、ベルリン映画祭でカリガリ映画賞、テディ賞を、さらにダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞とナストロ・ダルジェント賞で最優秀ドキュメンタリー賞に輝いた。2015年、ロカルノ国際映画祭のコンペティション部門で上映された『失われた美』(イタリア映画祭、16)が、ヨーテボリ映画祭のベルイマン賞に、ナストロ・ダルジェント賞で再び最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。最新作となる本作『マーティン・エデン』は、第76回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に出品され見事、男優賞(ルカ・マリネッリ)を受賞した他、トロント国際映画祭プラットフォーム賞、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞脚色賞に輝いた。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『マーティン・エデン』
配給:ミモザフィルムズ
9月18日よりシネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
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