『リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲〜』ミスだって、見方を変えれば「面白い」に変わる。俳優・岡山天音は“俯瞰”で考える【Actor's Interview Vol.8】
役者人生10年を越えて、いま思うこと
Q:役者生活が10年を越えて、いまはご自身の中でどんな時期でしょうか?
岡山:成長の速度と質が変わったなと思います。
初期のころは何をやっても伸びていたから、モチベーションを維持しやすかった。でも徐々に、自分の枠を広げること・引き出しを増やすことの難易度が上がっていきましたね。だからこそ「どう次の手を打っていくか」と考えています。
ただ、ハードになっていくこと自体が面白いんですよ。俯瞰で「どう攻略しようか」と考えたり、興味がわくものが変わったり……10年目くらいから、新しいことが始まってきたかな、と感じています。
Q:俯瞰で考える、という意識は、岡山さんの中で大切にしている信条なのでしょうか。
岡山:そうですね。一生懸命やっているから、気付いたらネガティブな感情や「ミスできない」という強迫観念が生まれてしまう。でも本来、ものづくりも演技も“遊び”の延長線上にあると思っています。
「いいものが、必ずしもいいものを生むわけじゃない」というのが僕の持論なんですが、例えば演技にしろ、常にプラスの雪だるま方式で、どんどん加速していくものじゃないんですよね。
主観で見てしまえば事件かもしれないし、ミスや取り返しがつかないことかもしれない。でも、自分では攻略法がわからなくても、俯瞰で見たら“娯楽化”できる、ってことが結構あるんです。何が面白さにつながるかわからないから、一回引いてみる、ということは大切にしていますね。
Q:岡山さんのキャリアを拝見していると、メジャー/インディペンデントを問わず活躍されていて、しかも出演作品が途切れない。どうやって「選ばれ続ける努力」をされているのか気になっていたんですが、そういったお考えが根底にあるんですね。
岡山:「俯瞰で考える」もそうだし、顔とかがちょうどいいんじゃないですかね(笑)。
男女問わず綺麗な俳優さんはたくさんいますが、ある場所では圧倒的に輝くけど、作品によっては逆に目立ちすぎてしまって使いどころが難しいときもあるそうです。
そういったことを考えると、自分は割と色々な方向に振れるビジュアルなのかな、とは思っています。
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岡山天音
1994年6⽉17⽇⽣まれ、東京都出⾝。2009年「中学⽣⽇記 シリーズ・転校⽣(1)~少年は天の⾳を聴く~」(NHK)でデビュー。17 年公開の主演映画『ポエトリーエンジェル』(飯塚俊光監督)での演技が評価され、第 32 回⾼崎映画祭最優秀新進男優賞を受賞。連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)や『同期のサクラ』(NTV)ほかドラマや映画で活躍。『青くて痛くて脆い』(狩山俊輔監督)など、20 年だけで8本の映画に出演している。待機作として、「おらおらでひとりいぐも」(沖⽥修⼀監督)、「ホテルローヤル」(武正晴監督)が控える。
取材・文:SYO
1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema」
『リトル・サブカル・ウォーズ 〜ヴィレヴァン!の逆襲〜』
出演:岡山天音、森川葵、最上もが、本多力、柏木ひなた(私立恵比寿中学)、水橋研二、落合福嗣、小林豊(BOYS AND MEN)、大場美奈(SKE48)/萩原聖人、安達祐実/・平田満・滝藤賢一
監督:後藤庸介 脚本:いながききよたか
主題歌:「目蓋」神はサイコロを振らない(Virgin Music)
制作:コギトワークス 配給:イオンエンターテイメント 上映時間:102分
(c)2020メ~テレ HP:https://www.nagoyatv.com/vv2/
10月23日(金)全国ロードショー