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『ホテルローヤル』武正晴監督 原作者自身を理解することで見えてくるものがある【Director’s Interview Vol.92】

『ホテルローヤル』武正晴監督 原作者自身を理解することで見えてくるものがある【Director’s Interview Vol.92】

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監督としての脚本作り



Q:武監督の場合、過去作でもあまり脚本にはクレジットされてないですよね。


武:僕は足立紳って脚本家と一緒にやることが多くて、彼が書いたものに対してディスカッションしながらやっていますね。僕は書くことは出来ないですけど、喋ることぐらいなら出来るので。


Q:あがってきた脚本に対して、監督が撮影稿としてチューニングするのはよく聞くのですが、脚本としてクレジットされていないのに、最初から脚本作りに参加されているのは意外でした。


武:脚本作りはいつも最初から参加しますね。「全裸監督」(19)の時もそうでしたし、ディスカッションしながら軸を決めるが重要なんです。まず原作をどういう方向に導いていくのか、そして原作で外せないところをしっかりと抑えた上で、原作に書かれてないところを映画としてどう広げていくのか、それを決めていきます。




今回絶対外せなかったのは、ホテルローヤルの看板に明かりが灯るところですね。原作で桜木さんがそのシーンを最後に書いているのは、まさに映画的だなと強く思いました。ではそれを主人公の雅代とどう絡めていくのか、現在の雅代と過去の出来事をどう交錯させていくのか、それらを単に台詞で説明させるのではなく、どう画として見せていくか、そう考えていくと、今回はいろんな表現が出来そうだなと、意外とスムーズにアイデアが浮かびましたね。


Q:助監督時代には現場が中心で、脚本作りにはあまり参加されてないイメージがありました。脚本作りはどこで経験されていたのでしょうか。


武:助監督をやっている時も、脚本段階から参加していることが多かったですよ。監督とシナリオライターが脚本を作っている時の話を、積極的に聞きに行ったりとか、プロデューサーが脚本の構成をする時に呼ばれて、そこで意見を言わされたりとか、監督と一緒に合宿して脚本を作ったりとか、よくありましたね。助監督でもそういうことやるんです。僕らはそういうスタイルでしたね。



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