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『ホテルローヤル』武正晴監督 原作者自身を理解することで見えてくるものがある【Director’s Interview Vol.92】

『ホテルローヤル』武正晴監督 原作者自身を理解することで見えてくるものがある【Director’s Interview Vol.92】

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日本映画とNetflix



Q:武監督はどんどん映画を撮ってるイメージですが、特に最近の制作本数はすごいですよね。

 

武:働かされてるだけですよ。無茶苦茶ですよ、もう(笑)。全てはタイミングなんですよね。スケジュールがずれたり、突発的に入ってきたりして重なるんです。でも、やるしかないです。


Q:今は「全裸監督2」の撮影真っ最中だそうですが、以前、Netflixだと予算や制作体制が全然違うとおっしゃってましたが。


武:もう普通の現場に戻れないですよ(笑)。予算の規模がすごいから。徹夜とか絶対しないしね。準備の時間もすごくある。でも普通の現場にまた来年から戻るんです。Netflixが温室だったから、きっとキツイですよ。メジャーリーグで投げてたのが、また日本の二軍ぐらいからやるようなもんです。昼間からなんでこんなに投げなきゃいけないんだよ、みたいな(笑)。今後、いい作品はNetflixで作られるようになったりするんでしょうね。


Q:Netflixでも映画でも、監督の周りのスタッフは一緒ですよね。


武:違います。Netflixでは僕はスタッフを選べないです。


Q:そうなんですか。


武:僕も含めてスタッフはNetflixが全部選んでる。だから僕もいつクビになるかもわからない。そこが面白いんですよ。


でも一方で今回の映画は、馴染みのスタッフが集まったし、脚本もいいものができたしね。みんな原作に惚れて集まってきたし、それはそれで良いものが出来るんです。こっちも楽しかったですよ。



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監督:武正晴

1967年愛知県出身。短編映画『夏美のなつ いちばんきれいな夕日』(06)の後、『ボーイ・ミーツ・プサン』(07)で長編映画デビュー。『カフェ代官山~Sweet Boys~』(08)、『カフェ代官山 II ~夢の続き~』(08)、『花婿は18 歳』(09)、『カフェ・ソウル』(09)、『EDEN』(12)、『モンゴル野球青春記』(13)、『イン・ザ・ヒーロー』(14)、『百円の恋』(14)などを監督。『百円の恋』は、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞など数々の映画賞を総なめにし話題を呼び、第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品としてもエントリーされた。近作には、『リングサイド・ストーリー』(17)、『嘘八百』(18)、『銃』(18)、『きばいやんせ!私』(19)、『嘘八百 京町ロワイヤル』(20)、『銃2020』(20)など。公開待機作に『アンダードッグ』がある。Netflixで配信中の話題作「全裸監督」では総監督をつとめている。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。




『ホテルローヤル』

11月13日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー


波瑠

松山ケンイチ

余貴美子 原扶貴子 伊藤沙莉 岡山天音

正名僕蔵 内田慈 冨手麻妙 丞威 稲葉友

斎藤歩 友近 / 夏川結衣

安田顕

原作:桜木紫乃『ホテルローヤル』(集英社文庫刊)

監督:武正晴

脚本:清水友佳子

音楽:富貴晴美

主題歌:Leola「白いページの中に」(Sony Music Labels Inc.)

配給・宣伝:ファントム・フィルム

https://www.phantom-film.com/hotelroyal/

©桜木紫乃/集英社 ©2020映画「ホテルローヤル」製作委員会

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