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『“それ”がいる森』中田秀夫監督 Jホラーのくびきを乗り越えるため「動の演出」で新作に挑む【Director’s Interview Vol.244】

『“それ”がいる森』中田秀夫監督 Jホラーのくびきを乗り越えるため「動の演出」で新作に挑む【Director’s Interview Vol.244】

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「動」のホラーへの挑戦



Q:私はJホラー直撃世代なので、中田監督の「静」の演出、動かないものが怖いという表現になじんできました。今回、「それ」がすごく動くので、その辺も監督は苦労されたのではないでしょうか。


中田:アメリカに住んでいた時に、向こうの男の子から「あなたの静かなホラーが好きだ」と言われたんです。あれはアメリカ映画になかったものだと。残虐に人を殺しに来るフレディとか、そういうものを見飽きた子供たちが、「全く動かないけど、幽霊ってそういうものだよね」と思い始めてくれたんだと、当時の僕は感激したんです。でも面白いもので、常に揺り戻しが来る。それは映画と「ホラー」が切り離せないことにも起因すると思います。



『“それ”がいる森』©2022「“それ”がいる森」製作委員会 


映画の始まりをみると、例えばリュミエール兄弟の「ラ・シオタ駅への列車の到着」という、列車がただ駅に到着するだけの映像がある。列車が観客に向かって来るから、見ている人が逃げ出した。ジョルジュ・メリエスという人はマジシャンでもあるので、人物を同ポジで撮って、急に消えたりするような映像を作っていた。映画の始原は限りなく見世物小屋に近い恐怖がベースにあるんですが、それがエンタメとして愛された。


だとすると、今こそ日本のホラーでも主人公達がただ怖がって避けるだけではなく、動的、あるいは能動的に立ち向かうことをせざるを得ない。だから「それ」との対決というのは、この映画では避けられないと思ったので、頑張りました(笑)。





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