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『もっと超越した所へ。』前田敦子 皆で持ち寄り作っていくことが面白い【Actor’s Interview Vol.26】

『もっと超越した所へ。』前田敦子 皆で持ち寄り作っていくことが面白い【Actor’s Interview Vol.26】

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異能の劇作家・根本宗子が手掛けた伝説の舞台を映像化した『もっと超越した所へ。』。脚本は根本自身が手掛け、監督はMV,CM,TVドラマを数多く手掛けてきた山岸聖太が担当した。登場人物は男女8人、4組のカップル。クズ男を引き寄せてしまう女たちのリアルな苦悩と、それぞれにもたれかかる男たちの本音が、歯に衣着せぬセリフとエネルギッシュな展開で紡がれていく。


登場人物の一人、岡崎真知子を演じたのは前田敦子。普段の真知子は菊池風磨演じるクズな彼氏に振り回されてばかりいるのだが、ケンカシーンではそれが一変、反撃に回る。正論を捲し立て詰めまくる真知子の目力はもはや恐怖。観ると後ろめたい気持ちになる男性は多いのではないだろうか。そんな真知子を演じきった前田敦子に話を伺った。


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真知子は本来の自分が出ていた



Q:『もっと超越した所へ。』まさにタイトル通りの映画に仕上がっていましたが、完成した作品をご覧になっていかがでしたか? 

 

前田:他のパートとは撮影が別だったので、そういう意味では自分が出ていない映画をみるような感覚がありました。映画はもちろん面白かったのですが、自分の出演シーンは本来の自分が混ざっているようで、くすぐったい感じもありました。自分のパートはどうしても客観的に観れなかったですね。


Q:本来の自分とは具体的にはどの辺りが出ていたのでしょうか。


前田:カップルのケンカって一番嘘がつけない気がします。今回は緻密に役を作るよりも勢いで喋るようなやり方を求められたこともあり、そうなると本来自分が持っているものはどうしても出て来てしまう。また、真知子の気持ちにはすごく共感したところがありました。私自身が言いたいことを言わずに我慢するタイプなので、そこはすごくわかるんです。我慢するというよりも「ま、いいか」と思っているのですが、それが実は溜まっている。また、相手が間違ってると思ったときはとことん詰めるタイプなので(笑)、そこも共感できました。真知子の彼氏の怜人は間違った行動をとっているので、「どんな生き方だよ!そんな人生甘くないよ!」って言うしかないですよね(笑)。そうなっちゃうともう感情論なのですが、それでも言い続けたい!というその気持ちもわかるんです。



『もっと超越した所へ。』(C) 2022『もっと超越したところへ。』製作委員会 


Q:ご自身の経験でも実際にあったのでしょうか?


前田:ありましたね。それは認めます(笑)。夜に詰めて仕留めるという(笑)。まぁでも女の子は皆結構やったことあるんじゃないですか。夜突然となりに座って、すごく静かに喋りだすという(笑)。


Q:映画の中の真知子は、とにかく目力がすごい。男の人は目を見れないですよね。なぜなら全部言い訳でしかないから(笑)。


前田:そうですよね。目が泳いでいくんですよね(笑)。女の子からすると、自分は何ひとつ間違ったことを言ってないという強さがある。それもきっと目で伝わるんでしょうね(笑)。


Q:ケンカのシーンはとにかく勢いがすごいですが、完全に真知子になってますよね。


前田:考えながら喋ってもつまっちゃうので、まさに勢いですね。普通の会話だと一つ一つの言葉がこう聞こえるべきだという調整が必要になってくるのですが、勢いの場合は言葉が突然出てくる。ケンカをしている時って違う感情で全然違うことを言ったりすることもありますよね。その感じが自然にできればと思っていました。


どちらかというと声を出すのは好きなので、抑えてシクシクするよりも勢いでバーッと言う方が自分には合ってると思います。今回は四人の中で真知子だけシクシクしないんです(笑)。他のみんなは可愛気がある感じで怒っていたので、映画を観ると「真知子怖っ!」って思いました(笑)。みんなは泣きながら怒ってるんですけど、私だけずっと詰めてますから。


Q:彼氏の怜人はタジタジになっていましたが、怜人を演じた菊池さんの反応はいかがでしたか。


前田:現場でもずっとビビってて「怖い怖い」って言ってました(笑)。「ケンカのシーンは嫌だ」って言っていて、それがすごく出ちゃってましたね。普段全く噛まない風磨くんが噛んじゃったりして、本当に嫌だったんだろうなって思います(笑)。申し訳ないなぁと思いました。いくらお芝居とはいえ怒られるのって誰でも嫌ですよね。





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