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『チケット・トゥ・パラダイス』オル・パーカー監督 ドラマの本質は“家族”【Director’s Interview Vol.254】
ドラマの本質は“家族”
Q:“家族”もこの映画も大きなポイントです。“家族”という普遍的なものは、無限のドラマの可能性を秘めていると思いますが、監督はどう捉えていますか
パーカー:まさにその通りで、どのドラマでも本質は家族だと思っています。人間が成長していく中で最初に経験する葛藤や衝突、あるいは世界を見るきっかけとなるものが、まさに家族。家族というものを通して我々は人間として世界を発見していく。たとえ血の繋がりがなかったとしても、人が集まれば、それは結局ファミリーなんです。そうやって定義を幅広く考えれば、複数の人間が絡むドラマは、全てが家族として成立するかどうかの物語であり、それこそがドラマの本質なのではないかと思います。
私には実際に21歳と17歳の二人の娘がいるため、今回のような物語を書くのは自然な流れでした。子供たちが巣立つ時期に親としてどんなアドバイスが出来るのか?自分が伝えようとしていることが彼らにとってベストなのか?若かりし日の未熟な自分に伝えたいアドバイスを、そのまま子供たちに伝えたい。そうやって自分の経験を反映しながら脚本を書いた部分もありますね。
『チケット・トゥ・パラダイス』© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.
Q:影響を受けた監督や作品はありますか。
パーカー:脚本家としてはケネス・ロナーガンに一番影響を受けています。彼の手掛けた『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』(00)はとにかく素晴らしく、彼は天才だと思いますね。影響を受けた監督はたくさんいますが、その中でも特にスティーブン・ソダーバーグとコーエン兄弟の存在は大きいです。今回のロマンチック・コメディという意味では、偉大なるノーラ・エフロン抜きには語れませんね。
Q:最後に日本の観客にメッセージをお願いします。
パーカー:世界はパンデミックから少しずつ立ち直ってきていますが、日本の皆さんはどうでしょうか?この作品の脚本を書いているときは大変な時期だったので、その反動で楽しく陽気な物語を作りました。この映画を観て少しでも明るい気分になってもらえたら嬉しいですね。
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監督・脚本:オル・パーカー
取材・文: 香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『チケット・トゥ・パラダイス』
11月3日(祝・木)より全国ロードショー!
配給:東宝東和
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