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『アイスクリームフィーバー』千原徹也監督 やり方は何でもいい、自分がやるだけ【Director’s Interview Vol.332】

『アイスクリームフィーバー』千原徹也監督 やり方は何でもいい、自分がやるだけ【Director’s Interview Vol.332】

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正解は自分にある



Q:完成した映画は、想像通りの作品になりましたか?


千原:想像していたものではなかったです。半分は思っていた感じに作れたし、半分は思ってなかった感じになった。でも思い通りに出来たことが良かったわけではなく、思い通りではないけれど良くなったところもありました。作っていると正解が分からなくなってくるんです。新しいものを作りたかったから、皆が「良い」と言ってくれると、「簡単に分かるものを作っちゃってるのかな」とか(笑)。でも「良くない」って言われると、それはそれですごく辛かったり…。編集では何百回と見てるから、その段階では全く正解がわからない。でも完成させるしかない。そこまで来るともう自分を信じるしかないんですよね。最終的には自分で信じた方向に持って行けましたが、それが皆が良いと思ってくれるものになっているどうかは、正直「もう分かんないよね」っていう感覚でした(笑)。


それでも何とか完成させて0号試写で初めて映画館で観たときに、「あ、映画を作ったんだ」と初めて思いました。それまではずっとパソコンの画面で編集していたので、映画館で観ると全然印象が違ったんです。何だか違う映画を観ているようでした。大画面と大音響で観て、初めて「良かったな」と思いましたね。



『アイスクリームフィーバー』©2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会


Q:普段の広告のお仕事では、自分の思い描くものが作れていると思うのですが、そこの感覚とは違いましたか?


千原:広告はクライアントありきなので、正解か不正解かはクライアントが決める。だから明確なんです。自分のものではないという無責任さが、逆にやりやすさだったりもする。また、期待に応えるという仕事でもあり、そこはこれまでうまくやってきた部分でもあります。でも映画の場合は正解は自分にあって、自分がOKと言えばOKになる世界。広告も映画も作るプロセスは似ているのに、作っているものは全然違うという感覚がありました。



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