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『アイスクリームフィーバー』千原徹也監督 やり方は何でもいい、自分がやるだけ【Director’s Interview Vol.332】

『アイスクリームフィーバー』千原徹也監督 やり方は何でもいい、自分がやるだけ【Director’s Interview Vol.332】

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今回の取材は千原氏の事務所「れもんらいふ」で行われたのだが、室内に入ると、大量のレコード、書籍、フィギュア、DVD/ブルーレイなど、その物量に圧倒されてしまった。デロリアンのフィギュアから伊丹十三の書籍まで、映画ファンからするとお宝に溢れた秘密基地のようだ。ここに1ヶ月監禁されたとしても(個人的には)飽きることはないだろう。そんな映画愛に溢れる千原徹也氏が初めて監督した映画、それが『アイスクリームフィーバー』だ。


意外だったのは、千原氏が手掛けたのは監督だけではなく、プロデューサーや製作(出資)も担っていたこと。アートディレクターである千原氏は、初めての映画をいかにして製作し監督したのか?映画監督ではない人間がどうすれば映画を作ることができたのか?話を伺った。


特に映画を作りたいと思っている方には必見の内容。是非ご覧ください。



『アイスクリームフィーバー』あらすじ

美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡里帆)。デザイン業界に戻るか、このままアイス屋を続けるか、どちらが幸せで正解だろう? 思い悩む彼女はある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、その日以降佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて――。片や、アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本まりか)は、突然の来訪者に戸惑っていた。疎遠になっていた姉の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父を捜すため、高校の夏休みを利用して突撃してきたのだ。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった……。「好き」と気軽に口にできないほど微かで淡く、でも抗えない衝動。4人それぞれの色を纏った想いは、切なくも確かに疾走していく。


Index


ずっと不安が解けなかった



Q:そこに「マルサの女日記」と「お葬式日記」がありますが、この本面白いですよね。最近まで『マルサの女』と『お葬式』の4Kリマスター版が映画館でやっていて、改めて観るとものすごく面白かったです。


千原:伊丹十三は好きでブルーレイボックスで全部持ってます。映画館でやってたんだ。それは観たかったなぁ。映画館で観る機会ってなかなかないもんね。この間、9歳の子供に『スーパーの女』(96)を観せたら、めちゃめちゃ喜んでハマってました(笑)。


Q:確かに踊るシーンとかは楽しいですよね。


千原:そうそう(笑)。


Q:千原さんは大の映画好きだそうですが、実際に監督して映画を作るという今回の経験はいかがでしたか。


千原:これから劇場公開したあとで、楽しかったか楽しくなかったかが分かると思いますが(笑)、今のところは本当にいい経験だったと思います。



『アイスクリームフィーバー』©2023「アイスクリームフィーバー」製作委員会


Q:逆に不安はなかったですか?


千原:不安はずっとありますよ。お金を集めているときも、クランクイン直前も、撮影中も、クラックアップ直後も、編集中も、完成しても、とにかくずっと不安です。でもやっと最近、不安がワクワクに変わってきました。本当にやっとですね。初めてのことなので、やっぱり人の意見が気になっちゃうんです。撮影中はスタッフがどう思ってるのか気になるし、試写会が始まると観た人の感想が気になっちゃう。やっとここ数日で、試写を観て作品を「良い」と言ってくれる人が出てきたから、「あ、良いって思ってくれる人がいる!」と、だんだん不安が解けてきました。




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