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『マッド・ハイジ』ヨハネス・ハートマン & サンドロ・クロプシュタイン監督 意外と怒られなかった(笑)【Director’s Interview Vol.335】

(C)SWISSPLOITATION FILMS/MADHEIDI.COM

『マッド・ハイジ』ヨハネス・ハートマン & サンドロ・クロプシュタイン監督 意外と怒られなかった(笑)【Director’s Interview Vol.335】

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独裁国家に支配されたスイス、アルプスに暮らす年頃のハイジは恋人とのぺーターとのベッドタイムを楽しみ、ぺーターは闇で禁制チーズを売りさばく。しかしぺーターは国家に捕らえられ、ハイジの眼前で処刑。さらにおじいさんまでも殺されてしまったハイジは復讐の鬼と化し、独裁者に立ち向かっていく……。と、あらすじを聞いただけでヤバイ匂いがプンプンしてくる『マッド・ハイジ』だが、中身はジャンル映画への愛に溢れた作品に仕上がっている。


やりすぎ、ふざけすぎ上等で作り上げた本作、振り切っているだけあって滅法面白い。内容には一切の妥協を許さなかった、ヨハネス・ハートマン & サンドロ・クロプシュタイン監督。二人の話からは、自分の好きなことを貫き通す大切さが端端に感じられた。



『マッド・ハイジ』あらすじ

チーズ製造会社のワンマン社長にしてスイス大統領でもある強欲なマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定。スイス全土を掌握し、恐怖の独裁者として君臨した。それから20年後。アルプスに暮らす年頃のハイジだったが、恋人のペーターが禁制のヤギのチーズを闇で売りさばき、見せしめにハイジの眼前で処刑されてしまう。さらに唯一の身寄りであるおじいさんまでもマイリの手下に山小屋ごと包囲されて爆死。愛するペーターと家族を失ったハイジは、血塗られた戦士へと変貌を遂げる。復讐の鬼と化したハイジは、邪悪な独裁者を血祭りにあげ、母国を解放することができるのか⁉


Index


スイスでもジャンル映画は撮れる!



Q:エクスプロイテーション映画に「アルプスの少女ハイジ」を掛け合わせるとは中々思いつきませんが、発想のきっかけを教えてください。


ヨハネス:これまでスイスにはジャンル映画が存在しなかったので、どうしても作りたかったんです。「ジャンル映画を作りたいなら、ハリウッドに行かないと無理だ」と言われ続けてきましたが、「いや、スイスでも出来る!」と証明したかった。それでスイスでしか撮れないジャンル映画を考え、スイスっぽいものを散りばめた脚本を書き始めました。当初ハイジは脇役だったのですが、彼女を主役に据えるのはどうかと徐々に考えが変わっていきました。主役が女性ヒーローなのはカッコイイし、ハイジは既にブランドとして確立しているので、それを使わない手はない。また、アニメを通して日本との繋がりもあったので、クララ役には日本人をキャスティングするなど、いろいろ発展していきました。


Q:最初からグローバル展開を意識されていたのでしょうか。


サンドロ:そうですね。スイスは小さな国でこれまでジャンル映画も無かったので、世界のジャンル映画好きに向けて作りましたが、スイスでも多くの人が観てくれたんです。これまでジャンル映画を観たことない人がこの作品を観て応援してくれました。


ヨハネス:当初は僕たちのウェブサイトで配信するのみの予定だったのですが、スイス国内で一番老舗の配給会社が声をかけてくれたんです。しかも何とこの会社は、50年代に実写版ハイジを配給した会社でした。予想していなかったスイス国内の劇場公開が決まり、国内でも多くの方に観てもらえることができました。



『マッド・ハイジ』(C)SWISSPLOITATION FILMS/MADHEIDI.COM





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