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『オールド・フォックス 11歳の選択』バイ・ルンイン 監督は自由に演じさせてくれました【Actor’s Interview Vol.41】

『オールド・フォックス 11歳の選択』バイ・ルンイン 監督は自由に演じさせてくれました【Actor’s Interview Vol.41】

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父とシャ社長、両方に共感した



Q:父タイライと家主であるシャ社長の、相反する考え方がリャオジエの中に入ってきて、子供ながらに葛藤する様子が見事でした。演じている時はどのようなことを考えていましたか。


バイ:リャオジェはお父さんと一緒に暮らしてきたので、当然お父さんの影響が大きい。お父さんは、カッターの刃を捨てるときに段ボールで巻いて捨てるような優しい人です。そんなお父さんの影響を自然と受けてきている。そこに突然、家主のシャさんというパワフルな人物との出会いがある。シャさんは、立派な車を何台も所有して、一目見てお金持ちで大物だとわかる人物。そういった人間に突然出会うと、潜在的な恐怖感や影響は出てくるだろうなと感じました。


Q:父タイライとシャ社長では考えていることが違いますが、それぞれの理由もある。彼らの考えに共感、理解するところはありましたか。


バイ:どちらの考えも理解できました。子供の時のシャさんは、自分とお母さんの住む場所を求めてまわりましたが、全く相手にされなかった。努力をしても報われない。お金が無い人には家が手に入らないという経験をしたからこそ、自己中心的になって、お金持ちに上り詰めることができた。


もちろん優しいお父さんに関しても理解できます。でもリャオジエは、他人を優先する父の優しさが理解できない。ある意味自分たちを犠牲にする優しさは、子供であるリャオジエには許せない部分があったのかなと思いますね。



『オールド・フォックス 11歳の選択』©2023 BIT PRODUCTION CO., LTD. ALL RIGHT RESERVED


Q:リャオジエの気持ちを客観的に捉えながらも、リャオジエ自身になっていたのですね。


バイ:最初はここまでは理解できていませんでした。演技をする過程で、どちらの考えも間違いじゃないと思うようになったんです。ただそれでも、お父さんのタイライは、あまりにも善人すぎるなと思いました(笑)。





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