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『1122 いいふうふ』監督:今泉力哉 & 脚本:今泉かおり 撮影中に家に電話して確認しました【Director’s Interview Vol.419】

『1122 いいふうふ』監督:今泉力哉 & 脚本:今泉かおり 撮影中に家に電話して確認しました【Director’s Interview Vol.419】

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俳優によるキャラクター造成



Q:実際に完成したドラマを観て、かおりさんの想像と違っていたシーンなどはありましたか。


かおり:岡田さんが演じた二也は、岡田さんが作った二也になっていて、私が想像していた二也とはちょっと違いました。でもすごくいいなと思いました。私は、原作のクールな二也をイメージしていたのですが、岡田さんの二也はちょっと天然っぽい要素が入っていた。多分ご自分で解釈してやってくださったのだと思いますが、そこはすごくいいなと思いました。


高畑さんが演じた一子の方は、原作では背が高くてシュッとしたイメージがあったのですが、高畑さんはちょっと小柄なイメージだったので、もしかしたら原作と少し雰囲気が違うのかなと思っていました。でも喋り方やサバサバした感じなどをすごく意識して近づけてくれているようで、そこがとても良かったです。脚本に書いてあることだけじゃない、役者さんが考えて作ってくれたものを観て、画になると面白いなと思いました。


力哉:そっか、今聞いて思ったんだけど、二也は原作の感じでクールにやると、もう少し嫌な奴に見えると思うんだよね。岡田さんはちょっと天然で素直な方だから、そこは地に近いかもしれませんね。本人は天然と言われるのを嫌がっていましたけど。本当に真面目な方なんです。



『1122 いいふうふ』©渡辺ペコ/講談社 ©murmur Co., Ltd.


Q:高良健吾さん演じる志朗と西野七瀬さん演じる美月の夫婦も面白かったです。原作に忠実にしつつも、アレンジした部分はあったのでしょうか。


力哉:志朗は嫌われるキャラクターになりやすいから、高良さんも結構いろいろ考えたんじゃないですかね。


かおり:志朗は一番漫画っぽいキャラというか、あそこまで冷たい人って現実にいるのかなと。育った環境による何かがあるのか…。高良さんもその辺は難しかっただろうなと思いますね。


力哉:脚本にする際に、ちょっと足した部分があったよね。


かおり:そう。志朗は心境の変化を伝えるのに工夫が必要な人物だと思いました。だからドラマにするにあたり、実は子育てに悩んでいるという部分をわかりやすくしました。悩んでいたからこそ、ああいうふうにこじれちゃった。そこの描き方は難しかったですね。やりすぎると尺が伸びちゃうし。端折り過ぎると急に性格が変わったようになっちゃう。


力哉:高良さんが志朗に興味を持ってくれたのは、脚本の力もあったと思います。脚本を読んで志朗を演じる難しさがわかったと思うし、自分の中にあるものないもの含めて全て出す必要があると思ったんじゃないかな。志朗はすごく冷たく見えるし、動揺するような弱さも見せてくれる。高良さんはめちゃくちゃ真面目で繊細な方だから、今回の悩んでいる役と合っていた気がしますね。


かおり:志朗がお菓子のパッケージ文を読むシーンがありますが、あれは高良さんのアドリブでしたよね(笑)。


力哉:そう、最高でした。お菓子を食べた後、間があって、そしたらパッケージに書かれた創業(?)の年代を読み出すっていう(笑)。相手役の西野さんがその志朗の不器用な可愛らしさに惹かれて微笑むっていう(笑)。


Q:出演者たちが「動揺」し「うろたえる」グラデーション具合が印象に残りました。みなさん若い頃から場数をこなした俳優さんたちですが、どのように演出されたのでしょうか。


力哉:何も言ってないですね。1回やってもらって調整していくことが多いのですが、「こういうシーンなんで、このぐらいでやってください」とかは言いません。基本お任せです。大きな調整もそこまでしていません。あまり何もやってないって言うと、「用意スタート!」「カット!」しか言ってないみたいになっちゃいますけど(笑)。あれだけ経験のある人たちなので、調整も必要なかったです。それこそ、それぞれのキャラクターへの理解もありましたし。特に今回はあまり演出した記憶がないですね(笑)。



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