撮影中に家に電話して確認
Q:ト書きを結構書かれていたということですが、完成したドラマに反映されていたところはありましたか。
かおり:普通はシナリオ1ページで1分くらいかかるものですが、「俺がやると1.5倍になるから」と言われていました。だからその計算で書かなきゃいけないなと。それでもここはちょっと間を空けて欲しいなと、ト書きを書いていましたが、さっきの通り「細かいト書きはいらないから」ということで脚本上は省略されていました。でも完成したドラマを観ると、ある意味ドラマらしくない、映画でよく見るような間の空け方が至るところにありましたね。
Q:今回は連続ドラマゆえ、各話ごとに次への期待を繋げる必要があったと思いますが、その辺は脚本を書く際に意識されていましたか?
かおり:そうですね。各話の終わりにちょっと次を匂わせるような、次はどうなるのかな?というところで終わるように意識はしていました。
『1122 いいふうふ』©渡辺ペコ/講談社 ©murmur Co., Ltd.
Q:全7話、全体で7時間以上とかなりボリュームがありますが、連続ドラマを全部撮るのは初めてだったのでしょうか。
力哉:去年「からかい上手の高木さん」(24 TV)のドラマ版を撮影したので、連続ドラマを全話自分でやるのは2作目でしたが、ここまでの長尺ははじめて。自分でも過去最長の撮影期間でしたね。1時間×7話で7時間のはずが、6話だけ何故か90分あるんですよ(笑)。ちょっとAmazonさんに甘え過ぎました(笑)。今回は映画でご一緒しているチームやスタッフで、撮影も四宮さんですし、ドラマを撮っているというよりも、映画と変わらない感じがありました。ただ、毎回ラストを次に繋げることは、常に意識しながらやっていましたね。
Q:撮影中に相談するようなことはありましたか。
かおり:途中で家に電話かけてきたよね。
力哉:そうそう。現場で高畑さんがシーンの繋がり的に心情を迷った箇所があって。「こんなにすぐに気持ちが切り替わるかな」と。脚本の時点で僕が詰めとけば良かったんだけど、たぶん打合せで説得されていて、「あ、そうだよね。このシーンってこういうことね。分かった」ってなっていた。でもいざ俳優と向き合ったら、「ここ分からなくて」と言われて「そうですよね。俺も分かんなくて」となった(笑)。それで妻に電話して「何回か聞いた気がするんだけど、このシーンってさ、どういう感情なんだっけ?」と質問して。で、納得して。「温度感だけ調整してやってもらえれば、完成した際に気持ちは繋がっていると思います」と説明した上で演じてもらいました。