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『満月、世界』塚⽥万理奈監督 演技未経験の子供が本人役を演じる意義とは【Director’s Interview Vol.435】

『満月、世界』塚⽥万理奈監督 演技未経験の子供が本人役を演じる意義とは【Director’s Interview Vol.435】

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『満月』と『世界』それぞれに映るもの



Q:まるで違う監督とスタッフが作っているかのように、『満月』と『世界』ではそのトーンや空気感が違いました。意図されたものはありますか。


塚田:そこに気づいてもらえると嬉しいですね。『満月』はフィルムで撮っていますが、『世界』はデジタルです。カメラマンは一緒ですが、フィルムとデジタルの違いはやはり大きいですね。『満月』は『刻』の撮影前に撮ったのですが、映画とはどのように撮られているのかを見せたかった。フィルムを使っていることも含めて、『満月』と『刻』は完全に同じ体制で撮っています。


一方で『世界』の場合は急いで撮る必要があり、また、当時の秋ちゃんの生活環境があまり良くなかったこともあり、色々と切羽詰まっていました。そういう空気が『世界』には映っていると思います。『満月』での子供たちの伸び伸びした感じと、『世界』での秋ちゃんの必死な感じとで違いもありました。『世界』では、その必死な感じを必死に撮っていた気がします。



『満月、世界』


Q:監督が意図しているものと、自然発生的に生まれたものでバランスはどのように取っているのでしょうか。ドキュメンタリーのようで、決してドキュメンタリーではないことも印象的です。


塚田:やっぱり本人たちがすごく魅力的なんです。それで『満月』も『世界』も撮ろうと思ったわけですし、本人たちをちゃんと撮ることが出来ればこの映画は必ず“勝てる”と。プライバシーの関係から言えない話も多いのですが、あの二人は本当に面白いんですよ。満月は大学生になって上京しているのですが、今はピアスとタトゥーだらけで、髪の毛は紫です(笑)。『満月』の頃とは全然違いますね。秋ちゃんの方もすごくカッコよくなっている。現場ではその面白さを引き出すことを心がけていました。





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