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『バグダッド・カフェ 4Kレストア』パーシー・アドロン監督 デジタル・テクノロジーに無限の感謝を抱いている【Director’s Interview Vol.458】

© 1987 / Pelemele Film GmbH - Pro-ject Filmproduktion im Filmverlag der Autoren GmbH & Co. Produktions-Kommanditgesellschaft München - Bayrischer Rundfunk/BR - hr Hessischer Rundfunk

『バグダッド・カフェ 4Kレストア』パーシー・アドロン監督 デジタル・テクノロジーに無限の感謝を抱いている【Director’s Interview Vol.458】

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名曲「コーリング・ユー」が出来るまで



Q:『バグダッド・カフェ』は音楽が秀逸です。映画音楽について何か哲学やルールをお持ちですか?


アドロン:僕はあらゆる良い音楽が好きだけど……僕がボブ・テルソンと初めて会ったとき、僕らはどちらもいわゆる「映画音楽」が嫌いだという点で一致した。音楽は意味のあるものでなくてはならない。彼は僕が劇中の歌に何を必要としているか、正確な説明を求めた。かなりの時間を要したけれど、彼がガールフレンドと失恋し、電話を取って貰えないという事態を迎えて、「コーリング・ユー」が出来たんだ。


Q:ドキュメンタリーと劇映画の違いはなんだと思われますか?


アドロン:僕にとってはドキュメンタリー映画は、観察によるものであり、編集のプロセスによって撮影されたフィルムのクオリティや意味合いに則った物語の流れを生み出すものだ。一方、劇映画は監督されデザインされたストーリーテリングだね。



『バグダッド・カフェ 4Kレストア』© 1987 / Pelemele Film GmbH - Pro-ject Filmproduktion im Filmverlag der Autoren GmbH & Co. Produktions-Kommanditgesellschaft München - Bayrischer Rundfunk/BR - hr Hessischer Rundfunk


Q:あなたはフォルカー・シュレンドルフやヴィム・ヴェンダース、ヴェルナー・ヘルツォークといった、いわゆる<ニュー・ジャーマン・シネマ>ムーヴメントの一派だったのでしょうか?


アドロン:彼らのことは知っているけれど、自分が特に何かのグループに属しているという感じはしない。僕が映画に関わるようになったのは随分後からなんだ。まずアート、音楽、文学、演劇といったものへの興味が先にあってね。映画学校にも行ってないし。僕はかつて舞台俳優で、その後ラジオで沢山、世界の文学を朗読していた。そして、TVのために150本以上のドキュメンタリーを作り、46歳になって初めてエレオノーレと‘Céleste’(80)という劇映画を撮った。これはマルセル・プルーストと彼の家政婦の話だ。そして1987年、52歳になって『 バグダッド・カフェ』を完成させた。その頃には<ニュー・ジャーマン・シネマ>はもうほとんど終わってたね。





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