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『死に損なった男』田中征爾監督 × 水川かたまり 普段の自分を投影した役作り【Director’s Interview Vol.472】

『死に損なった男』田中征爾監督 × 水川かたまり 普段の自分を投影した役作り【Director’s Interview Vol.472】

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普段の水川かたまりがそのまま関谷一平に



Q:関谷一平は平凡な一般人だからこそ役作りは難しかったのかなと想像しますが、どのようにしてキャラクターを作っていかれたのでしょうか。


田中:そこは僕も水川さんに聞いてみたいですね。このキャラクターは2人でディスカッションして作ったわけではなく、最初に台本を読み合わせた時から完成形に近かった。水川さんの中でどういう思考回路が働いていたのか知りたいです。


水川:コントをやるときは声のトーンでキャラクターを作っている部分があって、普段自分が発している声のままのキャラクターもいます。台本を読んだときの印象では、関谷は僕が普段出している声の感じなんだろうなと。また、普段の僕は瞬きがすごく多い。ネタをやるときは瞬きを抑えることもありますが、今回は普段と同じように瞬きをして良さそうだなと。無理に声のトーンを変えることもなく、瞬きを抑えることもなく、普段の自分に近い感じで良いんじゃないかと。そんなことをぼんやり考えていました。



『死に損なった男』©2024 映画「死に損なった男」製作委員会


田中:空気階段のコントは見ているものの水川さんの普段の話し方は知らなかったので、最初の読み合わせで「これが正解なんだ」と思ってしまいました。藤子・F・不二雄先生が大山のぶ代さんの声を聞いたときに、「ドラえもんってこんな声だったんですね」と言った有名な話がありますが、まさにそんな感じです。「関谷一平ってこんな感じだったんですね」と(笑)。


「こういうふうに役を作ってほしい」と伝える役者さんと伝えない役者さんがいるのですが、水川さんは確実に後者でした。ニュアンスさえ伝えたら後は良いものを勝手に作ってくれる。水川さんはそのタイプだと撮影初日に分かりました。僕が関谷一平というキャラクターをクリエイトしている感覚はあまり無かったですね。


水川:昔バイトをやっていたときは、分からないことがあっても何も聞かずそれでミスして怒られるようなことが多かったんです。だから「ここはどうやるんですか?」ってあんまり聞けないんですよね…。でも今回は聞かなくても怒られなかった(笑)。


Q:それは、役者としては完璧だったということですよね。


田中:そう思います。プロデューサー陣も撮影初日から感動していました。




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