コント監修:板倉俊之のすごさ
Q:映画本編に出てくるお笑いコンビ・ピラティスのコントはインパルスの板倉俊之さんが監修されています。コント自体はいかがでしたか。
水川:やっぱりねぇ…、すげえなと思いましたね。コント監修を板倉さんがやるというのを聞いて、日本で一番適任だと思いました。板倉さんで大正解でしたね。劇中でのコントを演じたマルセイユさんは普段は漫才をやっているので、コントに慣れるために実際の劇場で何度か試していたのですが、そこでもガンガンうけてました。
田中:板倉さんとは1時間ちょっと打合せをしただけで、3日後ぐらいにはもうコントの台本が届いていました。それがほぼ完成形でしたね。映画の物語自体とコントをどう絡めるかまで考えてくれていました。
『死に損なった男』©2024 映画「死に損なった男」製作委員会
Q:完成した映画はいかがでしたか。
水川:最初は自分が映画の中に出ていることに慣れなくて集中して観ることが出来なかったのですが(笑)、後日改めて観たときには色んな発見がありました。撮影現場ではすごく遠くから撮っていたり、すごく低い位置から無理な体勢で撮っていたりして不思議に思っていたのですが、「こういう画の印象になるから、ああやって撮っていたのか」と、完成した作品を観て納得しましたね。
田中:自分の作品を評価するのは難しいのですが、最初に通して観たときの印象は「変な映画が出来上がったな」と(笑)。ただ、キャラクターの動向はずっと気になるし興味が尽きない描写になっていたので、変な映画だけれどちゃんと面白い映画にはなったかなと。観終わった後の読後感も悪くはなく、良い印象で終われたのは良かったですね。
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監督/脚本:田中征爾
1987年生まれ、福岡県出身。日本大学芸術学部演劇学科を中退後、アメリカ カリフォルニア州の大学に入学。帰国後は舞台の演出及び、脚本執筆をしつつ、映像作品を製作。現在はベンチャーIT企業でコンテンツ制作に従事。2018年に第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門にて初長編監督作『メランコリック』が監督賞を受賞、その後世界各国で数々の賞を受賞する。監督・脚本を務めたNetflix映画『Demon City 鬼ゴロシ』が2025年2月27日より配信。
水川かたまり
1990年7月22日生まれ、岡山県出身。慶応義塾大学中退。NSC東京校 17期生として入学し2012年に空気階段を結成。「キングオブコント」2021王者。2017年から放送しているTBSラジオ「空気階段の踊り場」に出演中。2022年にはドラマ「君のことだけ見ていたい」の脚本を手掛け、「妻、小学生になる。」(22)や「罠の戦争」(23)など数々のドラマにも出演し幅広く活躍中。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
スタイリスト(水川かたまり):岩田沙帆
ヘアメイク(水川かたまり):久保マリ子
『死に損なった男』
2月21日(金)全国公開
配給:クロックワークス
©2024 映画「死に損なった男」製作委員会