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『ゆきてかへらぬ』根岸吉太郎監督 撮影までの数年間がもたらしたもの【Director’s Interview Vol.473】

『ゆきてかへらぬ』根岸吉太郎監督 撮影までの数年間がもたらしたもの【Director’s Interview Vol.473】

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撮影までの数年間がもたらしたもの



Q:広瀬すずさん、木戸大聖さん、岡田将生さんと魅力的な三人が集まりました。


根岸:広瀬くんをキャスティングしたのは5年くらい前、彼女が21歳の時でした。彼女がまだ見せていない才能や輝きみたいなものを自分の映画で引き出せたらいいなと。当時はそう思っていました。そこから撮影まで時間が空いたのですが、結果的には良かったですね。この映画は十何年のスパンを描くため、映画の中で成長し葛藤する必要がある。特に後半部分は、今の彼女の年齢だからこそ出来たのかなと思います。


Q:木戸さんや岡田さんはどのタイミングで決まったのでしょうか。


根岸:岡田くんもだいぶ前から決まっていて、最後に決まったのが木戸くんでした。岡田くんからは「僕どんどん歳取ってますが大丈夫ですか?」と、1年ごとに聞かれましたね(笑)。



『ゆきてかへらぬ』© 2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会


Q:主演の3人に何かリクエストしたことなどはありましたか。


根岸:特に何も言ってないんですよ(笑)。3人は事前にシナリオを深く読み込んでいたし、それぞれの役に関係する文献も読んでいました。役が決まってから撮影までに時間があったので、3人ともすごく勉強してましたね。木戸くんなんか湯田温泉にある中原中也記念館に行っていたし、中也というものを体感的に取り込んでいた。その上で撮影に臨んでくれたと思います。参考になる本を渡したことはありますが、「こうしてほしい」などは言っていません。


また、今回良かったのは順撮りだったこと。初日にシーン1から撮り始めて、最終日にラストシーンを撮り終わった。きちんとした流れで撮ることができたので、役が少しずつ変化していくことを彼らなりに掴んでやってくれたと思います。今回のセリフは文学的で美しい日本語で書かれているものが多く、下手したら浮いちゃいそうなセリフもありましたが、それらもしっかり自分のものにしていました。驚くくらいにちゃんと取り込んでいましたね。





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