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『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』ショーン・プライス・ウィリアムズ監督 皆がハッピーなのが理想の現場【Director’s Interview Vol.479】

© 2023 THE SWEET EAST PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』ショーン・プライス・ウィリアムズ監督 皆がハッピーなのが理想の現場【Director’s Interview Vol.479】

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皆がハッピーなのが理想の現場



Q:撮影監督としての経験は、今回の監督(演出)としての仕事にどのような影響を与えましたか。


ウィリアムズ:これまでの現場経験を生かして、自分の理想を全部盛り込んだ現場を目指しました。簡単に言うと、皆がハッピーな現場です。とにかく皆がハッピーでスムーズに事が運ぶのが最高に楽しい現場なんです。1テイク目が良かったら「じゃあ次!」とどんどん進んだ方が、俳優もスタッフも気分が良い。そこは過去の現場経験が生きていますね。


Q:撮影はドキュメンタリーのような即興性を感じますが、実際の現場ではどのように撮影されているのでしょうか。


ウィリアムズ:今回は16mmフィルムを使いズームレンズで撮っているので、そういった意味でもドキュメンタリー的であると言えるかもしれません。実は撮影に入る前夜に、もう一人の撮影監督と一緒に、60年代のコンサートのドキュメンタリーフィルムを観ました。D・A・ペネベイカーとアルバート・メイスルズの二人による作品で、そこからインスピレーションを得たいなと。私は実際にアルバート・メイスルズの助手として仕事をしたことがあるので、大いに影響を受けているんです。


今回の現場では撮影監督が二人いたのですが最終的には自分がメインになりました。その理由は、自分が撮ることによってリハーサルをしなくて良いから。つまり、瞬間をよりリアルに捉えることができるということ。だからドキュメンタリーのスタイルというよりも、ドキュメンタリーのマインドで撮ったという方が合っているかもしれません。



『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』© 2023 THE SWEET EAST PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


Q:若い時はレンタルビデオ店で働かれていた筋金入りの映画ファンだそうですが、一観客からフィルムメイカーになったとき、これまでの膨大な映画鑑賞は実際の映画製作にどのような影響がありましたか。


ウィリアムズ:撮影時における判断を行う上では役に立っていますね。参照する映画の知識が膨大にあるので判断が早いんです。何ヶ月も深く考えるのではなく、割とその場で決断するタイプです。ただ、映画を観すぎているので、その判断が良いのか悪いのか、もはや判別できなくなっています…(笑)。


最近の映画はかなり編集頼みなところがあるのですが、僕の場合は撮影そのものが重要。現場で映画は作られると思っています。また多くの監督は、影響されたくないという理由から撮影中は映画を観ないのですが、僕の場合は撮影前も撮影中もずっと映画を観ていますね。



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監督/撮影:ショーン・プライス・ウィリアムズ

1977年生まれ。数本の短編とジャン=マヌエル・フェルナンデスとの共同監督作品『Eyes Find Eyes』(11)を経て『スイート・ イースト 不思議の国のリリアン』で長編監督デビューを飾ったショーン・プライス・ウィリアムズは、インディペンデント映画界を代表する撮影監督として、20年を超えるキャリアを築いてきた。その間に撮影した長編映画は約60本。さらに50本の短編と7本のシリーズもの、数本のミュージックビデオという驚異的な仕事量を誇っている。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。




『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』

3月14日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開

配給:アルバトロス・フィルム

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