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『異端者の家』撮影監督:チョン・ジョンフン カメラマンも登場人物の一人なんです【Director’s Interview Vol.485】

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『異端者の家』撮影監督:チョン・ジョンフン カメラマンも登場人物の一人なんです【Director’s Interview Vol.485】

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カメラマンも登場人物の一人



Q:今回の家には窓がほとんどなく外光を生かすことも出来ませんが、ライティングも難しかったのではないでしょうか。


チョン:全体的に暗い空間だったので、確かに照明の設定は難しいだろうと思っていました。ところがいざ撮影が始まってみると、カメラがどこに動いても大丈夫なように照明をセッティングしてもらえたので、心配していたほどではなかったですね。ただ、空間が変わるとストーリーも変わってくる。それにあわせて照明のカラーやトーンも微妙に調整していきました。息が詰まりそうな重苦しい雰囲気も照明で演出しています。


私はいつも、物語に集中して撮影しようと努めています。もし自分がそのシーンの登場人物だったら、ここでは何が見えたら良いのだろう、もしくは何が見えない方が良いのだろう。そんなことを常に考えながら撮影していますね。


また、カメラがデジタルに移行したことによって、ポストプロダクションで自由に色を変えられるようになりましたが、私は出来る限り現場のカメラで解決したい。撮影後に多少色を変えることがあったとしても、出来る限り現場で見えた色を生かしたい。現場で自分が感じた色や雰囲気を映画館でも同じように感じてもらいたい。いつもそう考えながら撮影しています。



『異端者の家』© 2024 BLUEBERRY PIE LLC. All Rights Reserved.


Q:本作も含め、あなたがこれまで撮られてきた映画の多くは、何か不穏な空気が漂っている印象があります。そういった目に目えない空気はどのように作り出されているのでしょうか。


チョン:脚本家が脚本を書き、監督が演出を施し、俳優が演技をする。それらを最終的に作品に収めるのが私の仕事です。先ほどもお伝えしたように、自分自身も登場人物の一人だという気持ちで撮影しています。そのためには、物語や作品についてしっかりと理解をしておく必要がある。でもそうやって撮ることができれば、観客にも必ず現場の雰囲気が伝わるんです。ファインダーを通して見ている私に緊張感がなければ、それを観た観客も緊張感を味わうことはない。常にそのことに留意しながら撮影しています。




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