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『異端者の家』撮影監督:チョン・ジョンフン カメラマンも登場人物の一人なんです【Director’s Interview Vol.485】
模型と実物がつながるアイデア
Q:今回は、家自体や家の中にあるもの、ティーカップやレコード、模型や電気のスイッチなど、美術や小道具も重要な役割を担います。それらの撮影にあたって気をつけた点はありますか。
チョン:作品に登場する美術や小道具はミスター・リードが計画したものばかり。つまりそれらは脚本家と監督が綿密に配置したものでもあります。「この小道具は全てが絡み合っているのだ」という意識で撮影していました。
また、映画では家の模型が出てきますが、当初はミスター・リードがただ模型を見ているだけの設定でした。それが完成した映画では、模型にカメラが近寄っていくとその中に俳優がいて実際の家と繋がっていく。実はそれは私が出したアイデアなんです。監督も「良いアイデアだね!」と喜んで採用してくれました。
『異端者の家』© 2024 BLUEBERRY PIE LLC. All Rights Reserved.
Q:韓国からハリウッドへ渡り見事に成功されましたが、ハリウッドでのお仕事は韓国と比べていかがですか。
チョン:ホラーやスリラー、コメディなど、幅広いジャンルを撮影してきました。いろんな経験を積むことが出来て嬉しいですね。韓国も日本も敬語があり、目上の人を敬う文化がありますが、アメリカの場合はお互いをリスペクトしつつも、大人も子供もみんな友達というような雰囲気がある。そういう中にいると自分が若くなっていくような感覚があります。いつも楽しく撮影していますよ。
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撮影監督:チョン・ジョンフン
1970年6月15日、韓国・ソウル特別市生まれ。パク・チャヌク監督の『オールド・ボーイ』(2003)の撮影監督として参加し、釜山映画評論家協会賞及び春史大賞映画祭の撮影賞を受賞。その後も『親切なクムジャさん』(2005)、『イノセント・ガーデン』(2013)、『お嬢さん』(2016)などで、チャヌク監督の作品を長きにわたり支えている。2010年代からハリウッドに進出し、これまで撮影を手掛けてきた作品には『ぼくとアールと彼女のさよなら』(2015)、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)、『ホテル・アルテミス -犯罪者専門闇病院-』(2018)、『アースクエイクバード』(2019)、『ラストナイト・イン・ソーホー』(2021)、『アンチャーテッド』(2022)、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)などがある。現在はロサンゼルスを拠点として活動している。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
『異端者の家』
4月25日(金)TOHO シネマズ 日比谷ほか全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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