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『フィクティシャス・ポイント』服部正和監督 自分の作りたい映画に正直でありたい【Director’s Interview Vol.490】

『フィクティシャス・ポイント』服部正和監督 自分の作りたい映画に正直でありたい【Director’s Interview Vol.490】

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世界観を作るロケーション



Q:世界観を作る際に気をつけるポイントはありますか。


服部:ロケーションですね。看板や道路標識など日常を想起させるものが見切れないようにしています。たとえば海を撮影した際に、その抜けに建造物が見えたりすると一気に興ざめしてしまう。ロケーションは世界観を作る上で大事な要素なので、ロケハンはいつも入念にやっています。


Q:確かにロケーションは見事でしたが、具体的にどうやって見つけているのでしょうか。


服部:まずGoogleマップのストリートビューをひたすら見て回ってから、良さそうな場所があったら実際に行ってみるという方法を採っています。ロケハンは一人で行くことが多く、幕張くらいまでだったら自転車で行っています。勢いで行くのはいいのですが、幕張は行きに4時間ぐらいかかったので帰りは悲惨な目に遭いましたが…(笑)。



『フィクティシャス・ポイント』© CIELOSFILM/Cinemago


本作では家の中が直接海岸につながるというSF的なシーンがあり、海岸に本棚と家の壁のセットを組んで撮影しました。ただし、実際の家の中と外では光量が違っていて、家の中は暗いし外は明るい。かといって家の中を遮光するとなると、より大きなセットを組む必要が出てくる。当然そんな予算は無いので、色々と考えた結果、陽が当たらない高架下が海岸に隣接している場所を探しました。その場所のおかげで、高架下の暗い場所にセットを組み、そこから見晴らす海岸は陽が当たっているという状況下で撮影を行うことができました。そんな風にして地道に場所を探しています。


Q:“海”ひとつとってもいろんな場所がありますが、どのようにして目星をつけるのでしょうか。


服部:僕はよく海で撮影をするので、そのときの記憶を頼りにすることが多いですね。場所自体もそうですが、そこに行くまでに電車に乗って見えている景色も重要で、常にアンテナを張って見ています。通勤でも散歩でも日頃見て気になった景色は、後で調べたり実際に行ってみたりしています。そうやって自分の中にアーカイブを貯めていき、映画を作る際にはそこから引っ張り出してくるのです。





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