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『MaXXXine マキシーン』特殊造形アーティスト:吉沢コーダイ ハリウッドのワークスタイルとは【CINEMORE ACADEMY vol.39】

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『MaXXXine マキシーン』特殊造形アーティスト:吉沢コーダイ ハリウッドのワークスタイルとは【CINEMORE ACADEMY vol.39】

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A24最大のヒットシリーズとなる『X エックス』(22)『Pearl パール』(22)に続く最新作『MaXXXine マキシーン』がいよいよ日本で公開。タイ・ウェスト監督が今回の舞台に選んだのは、80年代のハリウッド。新作ホラー映画のオーディションで主演に抜擢され、撮影に参加することになったマキシーン。そんな彼女の周りで不穏な連続猟奇殺人が発生し始め……。


ある種メタ構造のようにホラーを描く本作で、特殊メイクと特殊効果を担当したのが、特殊造形アーティストの吉沢コーダイ氏。高校卒業後に日本からハリウッドに渡った吉沢氏は、これまで数多くのホラー作品を手掛けてきた。そして本作は吉沢氏念願のA24案件だったという。本作の制作やハリウッドでの仕事について、吉沢氏に話を伺った。


※一部、シーンの詳細に触れている箇所があります。



『MaXXXine マキシーン』あらすじ

1985年、ハリウッド。巨大な撮影スタジオに現れたブロンドの女、その名はマキシーン。ポルノ界で人気を極めた彼女は、新作ホラー映画『ピューリタンII』のオーディションに参加していた。“本物のスター"になるために。その頃のLAは、連日連夜ニュースで報道される連続殺人鬼「ナイト・ストーカー」の恐怖に包まれていた・・・。一方マキシーンの周りでは、ヒルズのパーティーに呼ばれた女優仲間が次々と殺される怪事件が起きる。騒動の中、オーディションで主演の座を射止め、スターダムへ上りはじめたマキシーンの前に、6年前、マキシーンの身に起こった猟奇的殺人事件のトラウマ知る謎の存在「何者」かが近づく・・・・・・。


Index


ハリウッドスターとの仕事



Q:本作に携わることになった経緯を教えてください。


吉沢:僕はロサンゼルスにあるFractured FX Inc.という特殊メイクや特殊造形などを手掛けるスタジオで働いていまして、そこの社長のジャスティンに今回の依頼が来ました。ジャスティン氏とタイ・ウェスト監督は、『キャビン・フィーバー2』(09)や『バレー・オブ・バイオレンス』(16)で一緒に仕事をした間柄。『X エックス』と『Pearl パール』はニュージーランドで撮影されたため、特殊メイクはWETAスタジオが担当していました。本作はロサンゼルスでの撮影だったため、Fractured FXにオファーが来た次第です。


Q:吉沢さん担当されたシーンを教えてください。


吉沢:大きく一つ目は男の股間が踏み潰されるシーンで、その男の睾丸を造形しました。他のスタッフが睾丸の中身を作り、僕が作った睾丸の中にそれを仕込みました。血糊が出るチューブも一緒に仕込んで、踏み潰したら血がグチャっと出るような特殊効果を作っています。もう一つは、ある登場人物の目に十字架が刺さるシーンがあるのですが、その特殊メイクも担当しました。十字架が目に刺さった顔を造形しています。


Q:仕事の流れとしては、会社で作られた造形物を撮影現場に持っていくのでしょうか。


吉沢:そうですね。僕が作った造形物を現場に送り、現場ではメイクアップアーティストが役者に装着したり、仕掛けに組み込んだりしています。ユニオンに入っているメイクアップアーティスト以外は撮影現場で働けない仕組みになっていて、完全に分業制となっています。ですので、僕はあまり撮影現場に行くことはなく、普段はスタジオにこもって作業していることが多いですね。ただ、型取りのために役者がスタジオに来る機会があるので、そこで役者に会ったりすることもあります。



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Q:型取りでは長時間に渡って役者さんと一緒にいるイメージがあります。


吉沢:この映画の中にも出てきますが、シリコンを顔に塗るような型取りも実際にまだやっていて、それは1〜2時間くらいはかかりますね。


Q:ハリウッドスターの顔にシリコンを塗りたくる作業はいかがですか。


吉沢:もちろん気は使いますが、仕事なので思いきってベタっとやっています(笑)。以前、真田広之さんがいらしたことがあって、そのときは結構緊張しました。ただ、顔全体に塗っているので、呼吸用に鼻の穴だけが開いていてそれ以外は全部ふさがっているのですが…。


Q:時間が長いとコミュニケーションを取るタイミングもありそうですね。


吉沢:役者とは普通に話しますし雑談も多いので、仲良くなることもあります。自分が日本人ということで、「日本に旅行に行ったよ。日本はいいよね」と言ってくれる方も多いですね。真田さんは、日本の正しい文化をハリウッド映画やドラマで伝えるための努力をしていて、すごく影響を受けました。同じ日本人としてもっと頑張らなきゃと、パワーをもらいました。




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