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『MaXXXine マキシーン』特殊造形アーティスト:吉沢コーダイ ハリウッドのワークスタイルとは【CINEMORE ACADEMY vol.39】

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『MaXXXine マキシーン』特殊造形アーティスト:吉沢コーダイ ハリウッドのワークスタイルとは【CINEMORE ACADEMY vol.39】

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進化する特殊造形



Q:本作はA24製作ですが、他の映画会社との違いなどは感じましたか。


吉沢:ハリウッドの大作映画になると、残酷描写は一瞬しか出なかったり、せっかく作った特殊効果が丸々カットされたり、CGに置き換えられることもあります。一方A24は、残酷描写の制約が少なく、手作り感もより多く出せた印象がありました。自分が作ったものがちゃんと写っていたので、満足感が高かったですね。A24は自由度が高そうなので、監督も見せたいものをどんどん表現していると思います。


Q:せっかくお金をかけて作っているのに、まるまるカットされるのですね。


吉沢:カットされることは頻繁にあります。でもそこがハリウッドのスケールのデカさでしょうね。


Q:作業のやり直しみたいなことも発生するのでしょうか。


吉沢:やり直しというよりも、監督に事前にチェックしてもらい、監督の求めるものに近づけていく作業が多いです。股間を踏み潰すシーンや頭をショットガンで吹き飛ばすシーンなどは、何度もテスト撮影をして、その動画を都度監督に送って確認してもらっていました。



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Q:造形の際に気をつけている点などはありますか。


吉沢:人肌の表現などでは、その役者の肌の質感に近づけるようにしています。今回は暗闇のシーンが多くあまり見えなかったかもしれませんが、そういった見えないところでもディテールにはこだわっています。


Q:今回の映画は80年代が舞台で、作品自体のテイストも80年代のトーンになっていましたが、チープな感じは一切ありませんでした。改めてクオリティの高さを感じましたが、特殊造形の分野も日々進化されているのでしょうか。


吉沢:80年代は人肌の表現にフォームラテックスという素材が使われていましたが、90年代になると柔らかくて本当の人肌のような特殊なシリコンが使われるようになり、リアリティが確実に進化しました。残酷描写に関しても、実際に起きた事故の写真や解剖学書などをネットで検索して、それを参考にしています。医学書などを見ながら、肌の下には脂肪があって、その下には筋肉があって…という構造を踏まえた上で再現していますし、昔と比べるとかなりリアルになったと思います。資料を見るのは正直かなりキツイのですが…(笑)。




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