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『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』血の宿命を超えた、現代のスター・ウォーズ神話 ※注!ネタバレ含みます

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『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』血の宿命を超えた、現代のスター・ウォーズ神話 ※注!ネタバレ含みます

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※本記事は物語の結末に触れているため、映画未見の方はご注意ください。


『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』あらすじ

帝国が崩壊し、無法地帯と化した銀河に生きる、どんな仕事も完璧に遂行する伝説の賞金稼ぎマンダロリアンと、強大なフォースを秘めたグローグー。帝国の復活を狙う新たな戦争を阻止する最後の希望は、父子を超えた絆で結ばれたこの二人に託された―。


Index


血の呪縛から、選択の絆へ



 『スター・ウォーズ』の歴史は、そっくりそのまま父と子の歴史と言っても過言ではない。


 『エピソード5/帝国の逆襲』(80)におけるダース・ベイダーの「I am your father」という衝撃告白、そしてルークの「Noooooooo!」という絶叫は、シンプルな勧善懲悪ストーリーを、世にも残酷なファミリー・ヒストリーへと変貌させた。その業は、世代を超えて連鎖する。続三部作(シークエル・トリロジー)で描かれたハン・ソロと息子ベン・ソロの断絶は、かつてのベイダーとルークが辿った宿命の再演。銀河の命運は、いつだって父と子の複雑な関係性に委ねられてきたのである。


 しかし、2019年に動画配信サービス「Disney+」のスタートと共に幕を開けた実写シリーズ『マンダロリアン』(19〜23)は、少しばかり毛色が違っていた。これまで描いてきた神話的なエッセンスを受け継ぎながらも、その眼差しは、血の繋がらない擬似家族の絆へと向けられたのである。


 物語の舞台は、銀河帝国の崩壊から5年、新共和国の統治もままならない混迷の時代。主人公のディン・ジャリン(ペドロ・パスカル)は、希少なベスカー鋼で鍛え上げたアーマーをまとい、卓越した戦闘スキルを操るマンダロリアンのひとりだ。彼は「決して他人に素顔を見せてはならない」という不変の掟を己に課し、銀河の辺境を漂う孤高の賞金稼ぎとして生きている。



『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』(C)2026 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.


 そんな彼が、ヨーダと同じ種族であり、フォースの力を秘めた謎の幼子グローグーと運命的な出会いを果たす。賞金首として引き渡せば、すんなりミッション・コンプリートだったにも関わらず、帝国軍の残党から狙われること覚悟で、ジャリンはこの小さな命を守り抜くことを決意する。


 もはやこれは、「仕事と育児に奔走するシングルファーザーの奮闘記」。凄腕の賞金稼ぎでありながら、宇宙船にチャイルドシートのような専用ポッドを取り付けたり、危険な仕事場に子どもを連れて行くべきか頭を抱えたり。仕事と育児の両立に悪戦苦闘する姿には、誰しもが共感を覚えずにはいられない。


 スカイウォーカー家の物語が「逃れられない血の宿命(=呪い)」を描いていたのに対し、『マンダロリアン』が描くのは、「自ら選び取った家族」の姿だ。ただ一人の赤ん坊を守るために必死に戦うジャリンの姿は、それだけで胸アツ。血の繋がりがないからこそ、互いを思いやり、共にいることを選ぶ。この「宿命」から「選択」へのシフトこそが、現代の観客に深く響く見事なアップデートとなったのだ。





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