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『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』映画史を塗り替えた、20世紀最大の神話

(C)2024 Lucasfilm Ltd.

『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』映画史を塗り替えた、20世紀最大の神話

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『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』あらすじ

銀河帝国樹立から19年。砂漠の惑星タトゥイーンでルークは、長年隠れ住んでいたオビ=ワン・ケノービと出会い反乱軍の戦いに加わることを決意する。ダース・ベイダー率いる邪悪な帝国軍に捕らわれたレイア姫を救出するため、オビ=ワンは若きルークをジェダイへ導いていく。


Index


ルーカスとスピルバーグとの間に交わされた、ある“賭け”



「これは、私が12歳だったころのガラクタなんだよ。子供のころに好きだった本や映画やコミックのすべてだ。筋書きは単純で、悪に対抗する善というもので、私が覚えている楽しいことやファンタジーをすべて盛り込んだ映画になっている。この映画を表す言葉は "fun(楽しい)”だ。(中略)『スター・ウォーズ』は映画に楽しさを取り戻し、かつてのような映画がまだ作れることを熱烈に証明したんだ」(*1)


 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(77)という、ジョージ・ルーカスが少年だった頃の夢を掻き集めて作った一本のフィルムは、全世界で7億7,500万ドル以上の興行収入を記録。玩具、小説、コミック、ビデオゲームにフランチャイズ展開され、多くのSFファンを熱狂の坩堝に叩き込んだ。映画史を刷新しただけにとどまらず、アメリカのポップカルチャーそのものを書き換えてしまったのである。


 ルーク・スカイウォーカーという最高のヒーロー。ダース・ベイダーという最高の悪役。ジョン・ウィリアムズによる勇壮なテーマ曲。 “May the Force be with you”(フォースと共にあらんことを)という強烈なパンチライン。“A long time ago in a galaxy far, far away‥‥”(遠い昔 はるかかなたの銀河系で…)で始まる有名なオープニング・ショット。『スター・ウォーズ』には、偉大な映画に必要な要素が全て詰まっている。


 これだけの成功を収めることは、ルーカス本人にとっても予想外。作品に自信が持てず、ブライアン・デ・パルマら友人たちに開発途中のラフカットを観てもらったが(まだ未完成の特殊効果の代わりに、古い戦争映画の一部が使われていた)、その評価も決して芳しいものではなかった。ただ一人スティーヴン・スピルバーグだけが、「こいつは史上最大の映画になるぞ!」と大絶賛するも、その場にいた全員が“Poor Steven(かわいそうなスティーブン)”とたしなめた…という逸話は、ファンにはよく知られている。


 そしてルーカスが、当時『未知との遭遇』(77)を製作中だったスピルバーグに、お互いの映画の利益から2.5%ぶんをトレードしようと提案したのも、ファンにはお馴染みのエピソードだ。『スター・ウォーズ』の大ヒットを確信していたスピルバーグは、このオファーを快諾。今なおルーカスは『未知との遭遇』の利益から2.5%、スピルバーグは『スター・ウォーズ』の利益から2.5%ぶんを毎年受け取っている。もちろんこの賭けは、スピルバーグの大勝ちであることは言うまでもない。




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