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生き様は心で決まる――『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が示した、シリーズの“魂”

生き様は心で決まる――『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が示した、シリーズの“魂”

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シリーズ42年の歴史に終止符



 まさに、大団円。


 『スター・ウォーズ』シリーズのエピソード9『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(19)は、42年の歴史に幕を下ろす見事な完結編であり、親子3代にわたる壮大な大河ロマンの終焉でもあった。善と悪の狭間で戦い、抗い続けたスカイウォーカー家は、遂にライトセーバーを置くことができるのだろう。


 感傷、感慨、寂寥……。全てを見届けた後の気持ちは、多くの観客にとって何とも言葉に出来ないものなのではないか。きっと、シリーズと共に歩んできた道のりが、エンドロールに重なって蘇ってくるはずだ。単純計算で、リアルタイムで経験してきた古参ファンは40代以上。VHSやDVDで観て追いついた人もいれば、続3部作(エピソード7〜9)だけを観ている新規ファンもいる。多種多様なファンが混在するのが『スター・ウォーズ』の面白さであるし、年代や性別を問わず、全員が劇場で感動を共有できる度量の深さこそ、この作品にしかない魅力でもあるのだろう。



 そして恐らく、本作に対する評価も、その人それぞれで変わるはずだ。映画としてのクオリティは言うまでもなく高水準だが、あまりにも個々人で思い入れにバラつきがある以上、物語の展開やキャラクター描写の受け取り方にハレーションは起きて当然。大絶賛の人もいれば、受け入れられない人もいるだろう。実際、筆者が劇場で鑑賞した際には、泣きはらしている観客もいれば、淡泊な反応を見せる観客もいた。12月22日現在、アメリカ最大の映画批評サイト「Rotten Tomatoes」のオーディエンススコアは86%だが、批評家も含めた全体評価は57%(他のレビューサイトも合わせ、シリーズ史上2番目に低い評価との報道もある)。各有力紙のレビューも好評なものと、そうでもないものもいくつか見受けられる。


 『スター・ウォーズ』と過ごした濃度や密度がどのレベルかによって、完結編の意味合いが変わる。そしてそれが、世界レベルで発生する。本作はほぼ全世界で同時公開され、全米のオープニング成績の予想は2億1,500万ドルと、前2作とほぼ同じ。とはいえ、この数字は充分モンスター級。『LOOPER/ルーパー』(12)のライアン・ジョンソンが監督を務めた前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)は世界的にかなり評価が割れた印象だが、それでも数字を落とさないのは、さすがとしか言いようがない。改めて、映画界の絶対的“マスター”の実力を見せつけられた気分だ。




 また、評価が人それぞれなようでいて、全員に共通しているように思えるのは、「終わった」ことに対する複雑な感情だ。元々3部作だと思っていた。今回の続3部作はプレゼントのようなもので、いつか終わることは分かっていた。本作の後も、『スター・ウォーズ』の新作は製作予定。だが、この世からスカイウォーカー家の物語がなくなってしまったら、我々は何を縁(よすが)に繋がっていけばよいのか……。そんな絶望すら感じてしまうほど、終映した劇場には大きな喪失感が待っている。


 文句のつけようがない完全なフィナーレを見せられてしまった今、これ以外の「終わり」は望むべくもない。しかし、完成度が高ければ高いほど、「もう観られない」現実に締め付けられる。スカイウォーカー家の物語が終わっても、我々の人生は続く。これはある種、非常に残酷な結末なのかもしれない。



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